……〝また〟だ。
不良先輩たちから「サバ女」と言われて落ち込んでいた心が、輪をかけて急降下していく。
こういう時に「違うよ」って言ったら良いのかな?いや、否定ならしたことあるのだ。最初に噂された時に「嫌だな」って思ったから勇気をだして言ったんだ。私はサバ女じゃないよ、って。だけど否定さえも「さすがサバ女!自分の意見はズバズバ言うね」と賞賛されてしまった。
だから悲しいけど、今だって噂を否定したところで無駄だろう。どうせ「さすがサバ女」と言われて終わりだ。
「……」
「気に食わないって顔してる」
「え」
隣を見ると、佐々木くんのにんまりとした顔があった。いつもより意地悪な顔に見える。
「噂なんか気にしなければいいのに」
「聞こえてたんだ」
「俺らに聞かせるように話したんだろうから、そりゃ聞いてあげないとね」
「……なにそれ」
少し皮肉の入った佐々木くんの言い方は、聞く人が聞けば鼻につきそうだ。だけどモヤモヤしていた私の心は、僅かに憂さが晴れる。
すると隣から「あんな噂で楽しめるんだからお気楽だよね」と佐々木くん。優しそうな見た目からは想像もつかない毒舌っぷりだ。
不良先輩たちから「サバ女」と言われて落ち込んでいた心が、輪をかけて急降下していく。
こういう時に「違うよ」って言ったら良いのかな?いや、否定ならしたことあるのだ。最初に噂された時に「嫌だな」って思ったから勇気をだして言ったんだ。私はサバ女じゃないよ、って。だけど否定さえも「さすがサバ女!自分の意見はズバズバ言うね」と賞賛されてしまった。
だから悲しいけど、今だって噂を否定したところで無駄だろう。どうせ「さすがサバ女」と言われて終わりだ。
「……」
「気に食わないって顔してる」
「え」
隣を見ると、佐々木くんのにんまりとした顔があった。いつもより意地悪な顔に見える。
「噂なんか気にしなければいいのに」
「聞こえてたんだ」
「俺らに聞かせるように話したんだろうから、そりゃ聞いてあげないとね」
「……なにそれ」
少し皮肉の入った佐々木くんの言い方は、聞く人が聞けば鼻につきそうだ。だけどモヤモヤしていた私の心は、僅かに憂さが晴れる。
すると隣から「あんな噂で楽しめるんだからお気楽だよね」と佐々木くん。優しそうな見た目からは想像もつかない毒舌っぷりだ。



