地球最後の日


この学校には花壇が2つある。正門から昇降口にかけてある大きな花壇と、中庭にある花壇だ。


まずは正門から行ってみる。


花壇には色とりどりの花々。私はお花に全然詳しくないから何の花かはわからないけどとてもきれいだ。

理沙ならわかるのかな?



う~ん、人がいる気配はない…。

ってことは中庭の方?


急いで中庭に向かう。

中庭へ行くにはそのまま外から行けなくて、一度校舎内へ入って。渡り廊下から出なくちゃならない。
中庭自体が校舎に囲まれているところに作られているからね。


っあ!


そこには花に水やりをしている一人の女子生徒。


「理沙!」


そう叫んで後悔。

え?と驚きながら振り向いた女の子と目が合って、私はピシッっと固まる。



だ、だれ。この子。



そこには理沙と同じボブカットだけど、顔は全然違う子がきょとんとしながら私をみている。

よく見てみれば背もこの子のほうが少し低いし、上履きの色で後輩だということもわかる。



「あ、あの…なにか用事ですか?」


硬直したまま動かない私に女の子は不思議そうに首をかしげた。



もしかして…ううん、もしかしなくても、私盛大に人違いした!?

は、恥ずかしい!

それに「理沙!」なんて大声で叫んじゃったし。


幸い、この場所にはこの子と私以外はいない。

けど、だけど…!!

恥ずかしいものは恥ずかしい!