地球最後の日


次の休み時間。

「中川ーお前、社会科係だったよな?この資料職員室の俺の机まで持って行ってくれないか」

…そ、そんなぁ。


これほどまでに始業式の日にじゃんけんで負けた自分に腹が立ったことはない。

仕事が少ないとうわさの国語係になりたかったのにじゃんけんで負けてあまり物の社会科係にさせられたあの日。

まあいいかと納得してしまったあの日の自分。


今なら、なにやってんだ!とゲンコツをお見舞いしたいところだよ!


そもそも、最近は仕事あんまりなかったのにぃ。


よりにもよってなんで今日!?


そこまできてふと思った。




…そっか、明日はないんだっけ。




先生はきっと知らない。


ここにいるみんなも。


メッセージを口どめされてるからかもしれないけど、全員が知っていたら、きっとどこかでボロが出るはずだ。

それがないってことは知らないんだろう。


…そんなこと、今考えたって仕方ないか。


「…わかりました」


はぁ、理沙みたいにキッパリと自分の意見を言える人になりたい。

「ごめんなさい、ちょっと用事があるので他の人にあたってください」

そう言えたらどんなに楽だろう。


あ、でもそれじゃあ社会科係失格かな…あはは。



いつまで引きずってても仕方ない。


次だよ次!