…そうと決まれば。


私は机の引き出しを漁って便箋を探し出す。


ピンク色の小さなお花が描いてあるシンプルな便箋。

この花はなんて名前だっただろう。
花言葉はどんなのだろう。


いつか使うかもしれないとお母さんからもらっておいてよかった。


さっそく書き出そうとペンを握った。

のはいいものの。



…どう書き出せばいいんだろう……。


幼なじみどころか誰かに手紙を送ることなんて初めてだからどうすればいいかわからない。

小さい頃、幼稚園の先生や両親におりがみの裏に“いつもありがとう♡”なんて書いて渡したけれど、それとは話が別だ。


いくら小説が書けるからといって小説と手紙とは書き方も言い方も全く違う。



数文字書いては消して。
数行書いては消して。
紙が黒ずんでしまったのでくしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ投げ入れる。
の繰り返し。