応接間も、高価そうなものが多かったが、考えたほど広くはなく真ん中に机やソファーが対面になるよう置かれていた。座るよう言われ、革製のソファーに腰掛ける。
　使用人らしき人物がコーヒーを置き、
話し合いが始まった。
　老人が口を開いた。
「今から君がどのような経緯で奴隷になりどう生きてきたのか聞かせてもらう。つらかったら遠慮なく言ってくれて構わん。」
私はそれに頷いた。
「まず君は何歳くらいから奴隷として売られた？」
　私は少し考え
「正確には覚えていませんが、５歳のときくらいからだと思います。」
　「なるほど、、。君はどういう経緯で奴隷になった？」
　「確か、私は片親でかなり貧乏だったので、両親にお金目的で売られたのかもしれません。真意はわからないけれど。」
老人は頷きながら
「少し不快になる質問だろうが、今まで何をされてきた。」
私は気まずいと思いつつ口を開いた。
「私は、性交渉のため、奴隷として売られました。」
老人は想定内だったようで、
「性交渉以外に暴力は受けていないか。」
と、また質問が帰ってきた。それに私は
「暴力も日常茶飯事でした。例で言うと八重歯の部分を無理やり抜かれました。」
老人は気の毒そうに顔を歪め
「保護が遅れて申し訳ない。」
と声色の悔しさを滲ませ頭を下げた。そこでこの人は、心底まじめで正義感が強い人だと分かった。私は
「全然大丈夫です。まだ生きています。生きれているので幸せ者です。」
と本心を返した