○レイナのモノローグ
レイナM「しかし、私は夜の中二病を止めることは出来ない。
なぜなら、彼の病の発端は私だからだーー」
○(レイナの回想1)レイナの部屋
目を開けて暗闇から光が入る。
ベットに横になっていたレイナと彼女の手を握り、心配そうに彼女を見ている夜(2人とも9歳)。
夜「レイナ!!!」
レイナが目覚めたことに気付いた夜は、レイナの顔を覗き込む。
夜は今にも溢れそうな涙を堪えながら、より強く彼女の手を握った。
レイナ「あなたは……?」
レイナはキョトンとした表情。
夜は少しショックを受けた表情。
夜「っ!お、俺は…」
言葉に詰まった夜を見て、レイナは訳が分からずアタフタして、視線をあちこちにやる。
ふと、視線を下ろした先には夜の腰に玩具の短刀が携えられているのが見えた。それを見たレイナは御伽噺を思い出す。
レイナ「騎士、様。絵本に出てくる騎士様みたい。」
夜「騎士……。そうだ。俺は夜。君の、女王様の騎士だ!」
夜は溢れる涙とともに笑顔を見せる。
レイナはその姿に見惚れてしまう。
レイナ「夜。素敵な名前ね、騎士様。」
レイナは手を握り返して満面の笑みを見せると、夜はその姿に見蕩れる。
○(レイナの回想2)星空の下
レイナ「夜を英語にするとナイトなんだって!でねでね、ナイトは騎士様って意味らしいよ!
これって運命じゃない?」
夜「ああ。俺は君の騎士になるために生まれてきたんだから。」
夜の瞳には覚悟が宿っていた。
○(回想終了)
○教室
ホームルームが終わった休み時間。
その回想達を思い出したレイナ。
レイナ「あ"あ"あ"!やってしまったぁぁぁぁ!」
夜「何がだ?」
夜は不思議そうに首を傾げる。
レイナ「子どもの頃の話だと思うじゃない!まさか、この歳になるまで、続けるなんて聞いてない!」
夜「何のことだ?」
レイナ「とぼけないで、この中二病!」
夜はキョトンとした顔で辺りを見回す。
レイナ「アンタのことよ!」
レイナは勢いよくツッコミを入れる。(コメディタッチ)
一方夜はキメ顔を崩さない。
夜「俺のことは漆黒の騎士と呼べと言ったはずだ。」
大きくため息を吐くレイナ。レイナはもう一度夜の姿を凝視した後一言。
レイナ「黙ってれば完璧なんだけどな……」
夜はその愚痴に首を傾げる。
レイナ「それで。無事、高校第二学年も二人ぼっちが確定したけれど、夜的にはどうなの?」
夜「漆黒の騎士」
レイナ「シッコクのナイト様的はどうなの?」
夜「レイナが側にいて、レイナを護れるなら、それだけでいい。」
夜、真面目な様子で片膝をついてレイナの手を両手で握る。
レイナ「なっ!そんな恥ずかしいセリフをスラスラと……!」
レイナは赤面しながら、その手を振り払おうとするが、夜の力に負けてその状態をキープするしかなかった。
それを見ていた教室で駄べっていたクラスメイト達。
クラスメイト(二人だけの世界だ……)
と、ザワザワする。
そこに担任がレイナに声をかける。
担任「西園〜!少し頼みたいことがあるんだが、職員室に来てくれないか?」
レイナ「はい!分かりました!」
夜「待て。」
レイナの袖を掴んで引き止める夜。
レイナ「え?」
夜「もしかすれば、組織が関わっているやも。」
レイナ「組織?一体何のこと?」
夜「……レイナを狙う忌まわしき組織だ。」
レイナ「普通に!担任の先生からの呼び出しなんだけど。」
夜「……」
レイナ目線には、夜の姿が耳としっぽが垂れたような大型犬に見えている。レイナはそんな夜に負けてしまう。
レイナ「んじゃ、一緒に行く?」
夜「あぁ。護衛は騎士として当然のこと。」
夜は表情を切り替え、右目を抑える決めポーズとキメ顔をして、レイナの後ろについてくる。
○職員室
担任「で、なんで向坂がいるんだ?」
担任はジト目で夜を怪訝そうに見る。
夜「人手は多い方が良いだろう?」
担任「まあ、いいか。じゃあ、向坂はこっちの教材を教室に運んでくれるか?」
夜「承知した。」
10箱のダンボールいっぱいに入った教材が夜の目の前に現れる。しかし、夜は嫌な顔ひとつせず、キメ顔を保ったままそれを了承した。
担任「西園は準備室にこれを運んでくれ。」
担任は数十枚の資料をレイナに渡す。
夜に比べれば少ない量だったので、レイナは安堵した様子を見せる。
レイナ「はい。」
資料を受け取り、大量の荷物の運搬を頼まれた夜の方を見る。
レイナ(夜、あんなに自信満々だったけど、大変そうだから、この資料運び終わったら手伝お。)
レイナの心配をよそに、夜は何故か鋭い視線を担任にぶつける。
夜「何故、一般生徒ではなくレイナに頼んだ?」
担任「お前ら、まあ、なんというか……あんまりクラスに馴染めてなさそうだったから、きっかけを作ろうと思ったんだ。
そんで西園の方が話が通じやすそうだったからだよ。」
レイナ(新学期早々、気を遣われている……!?)
夜はまだ怪しそうに担任を睨んでいた。
○廊下
資料を抱えながら準備室へ向かうレイナ。
生徒1「体験入部どうですか〜!」
生徒2「未経験の方、大歓迎です!」
今は放課後なので、1年生の部活勧誘が盛んに行われている。
生徒「途中入部も大歓迎です!」
レイナ(部活、か。1年の頃から入りたかった部活もあったし、今でも憧れはあるけれど……。)
そんな考え事をしていると、レイナは何かにぶつかってしまう。
ドサッ
その拍子に持っていた資料が散乱する。
レイナ「あっ、すみません!」
男子生徒「いえいえ。こちらこそ、すみません。」
男子生徒:好青年。金髪、髪は肩につくかつかないかくらい。ハーフアップにしている。制服を着崩している。
男子生徒はそう言って尻もちをついたレイナに手を差し伸べた。
レイナM「しかし、私は夜の中二病を止めることは出来ない。
なぜなら、彼の病の発端は私だからだーー」
○(レイナの回想1)レイナの部屋
目を開けて暗闇から光が入る。
ベットに横になっていたレイナと彼女の手を握り、心配そうに彼女を見ている夜(2人とも9歳)。
夜「レイナ!!!」
レイナが目覚めたことに気付いた夜は、レイナの顔を覗き込む。
夜は今にも溢れそうな涙を堪えながら、より強く彼女の手を握った。
レイナ「あなたは……?」
レイナはキョトンとした表情。
夜は少しショックを受けた表情。
夜「っ!お、俺は…」
言葉に詰まった夜を見て、レイナは訳が分からずアタフタして、視線をあちこちにやる。
ふと、視線を下ろした先には夜の腰に玩具の短刀が携えられているのが見えた。それを見たレイナは御伽噺を思い出す。
レイナ「騎士、様。絵本に出てくる騎士様みたい。」
夜「騎士……。そうだ。俺は夜。君の、女王様の騎士だ!」
夜は溢れる涙とともに笑顔を見せる。
レイナはその姿に見惚れてしまう。
レイナ「夜。素敵な名前ね、騎士様。」
レイナは手を握り返して満面の笑みを見せると、夜はその姿に見蕩れる。
○(レイナの回想2)星空の下
レイナ「夜を英語にするとナイトなんだって!でねでね、ナイトは騎士様って意味らしいよ!
これって運命じゃない?」
夜「ああ。俺は君の騎士になるために生まれてきたんだから。」
夜の瞳には覚悟が宿っていた。
○(回想終了)
○教室
ホームルームが終わった休み時間。
その回想達を思い出したレイナ。
レイナ「あ"あ"あ"!やってしまったぁぁぁぁ!」
夜「何がだ?」
夜は不思議そうに首を傾げる。
レイナ「子どもの頃の話だと思うじゃない!まさか、この歳になるまで、続けるなんて聞いてない!」
夜「何のことだ?」
レイナ「とぼけないで、この中二病!」
夜はキョトンとした顔で辺りを見回す。
レイナ「アンタのことよ!」
レイナは勢いよくツッコミを入れる。(コメディタッチ)
一方夜はキメ顔を崩さない。
夜「俺のことは漆黒の騎士と呼べと言ったはずだ。」
大きくため息を吐くレイナ。レイナはもう一度夜の姿を凝視した後一言。
レイナ「黙ってれば完璧なんだけどな……」
夜はその愚痴に首を傾げる。
レイナ「それで。無事、高校第二学年も二人ぼっちが確定したけれど、夜的にはどうなの?」
夜「漆黒の騎士」
レイナ「シッコクのナイト様的はどうなの?」
夜「レイナが側にいて、レイナを護れるなら、それだけでいい。」
夜、真面目な様子で片膝をついてレイナの手を両手で握る。
レイナ「なっ!そんな恥ずかしいセリフをスラスラと……!」
レイナは赤面しながら、その手を振り払おうとするが、夜の力に負けてその状態をキープするしかなかった。
それを見ていた教室で駄べっていたクラスメイト達。
クラスメイト(二人だけの世界だ……)
と、ザワザワする。
そこに担任がレイナに声をかける。
担任「西園〜!少し頼みたいことがあるんだが、職員室に来てくれないか?」
レイナ「はい!分かりました!」
夜「待て。」
レイナの袖を掴んで引き止める夜。
レイナ「え?」
夜「もしかすれば、組織が関わっているやも。」
レイナ「組織?一体何のこと?」
夜「……レイナを狙う忌まわしき組織だ。」
レイナ「普通に!担任の先生からの呼び出しなんだけど。」
夜「……」
レイナ目線には、夜の姿が耳としっぽが垂れたような大型犬に見えている。レイナはそんな夜に負けてしまう。
レイナ「んじゃ、一緒に行く?」
夜「あぁ。護衛は騎士として当然のこと。」
夜は表情を切り替え、右目を抑える決めポーズとキメ顔をして、レイナの後ろについてくる。
○職員室
担任「で、なんで向坂がいるんだ?」
担任はジト目で夜を怪訝そうに見る。
夜「人手は多い方が良いだろう?」
担任「まあ、いいか。じゃあ、向坂はこっちの教材を教室に運んでくれるか?」
夜「承知した。」
10箱のダンボールいっぱいに入った教材が夜の目の前に現れる。しかし、夜は嫌な顔ひとつせず、キメ顔を保ったままそれを了承した。
担任「西園は準備室にこれを運んでくれ。」
担任は数十枚の資料をレイナに渡す。
夜に比べれば少ない量だったので、レイナは安堵した様子を見せる。
レイナ「はい。」
資料を受け取り、大量の荷物の運搬を頼まれた夜の方を見る。
レイナ(夜、あんなに自信満々だったけど、大変そうだから、この資料運び終わったら手伝お。)
レイナの心配をよそに、夜は何故か鋭い視線を担任にぶつける。
夜「何故、一般生徒ではなくレイナに頼んだ?」
担任「お前ら、まあ、なんというか……あんまりクラスに馴染めてなさそうだったから、きっかけを作ろうと思ったんだ。
そんで西園の方が話が通じやすそうだったからだよ。」
レイナ(新学期早々、気を遣われている……!?)
夜はまだ怪しそうに担任を睨んでいた。
○廊下
資料を抱えながら準備室へ向かうレイナ。
生徒1「体験入部どうですか〜!」
生徒2「未経験の方、大歓迎です!」
今は放課後なので、1年生の部活勧誘が盛んに行われている。
生徒「途中入部も大歓迎です!」
レイナ(部活、か。1年の頃から入りたかった部活もあったし、今でも憧れはあるけれど……。)
そんな考え事をしていると、レイナは何かにぶつかってしまう。
ドサッ
その拍子に持っていた資料が散乱する。
レイナ「あっ、すみません!」
男子生徒「いえいえ。こちらこそ、すみません。」
男子生徒:好青年。金髪、髪は肩につくかつかないかくらい。ハーフアップにしている。制服を着崩している。
男子生徒はそう言って尻もちをついたレイナに手を差し伸べた。
