孤独というのは
どんなにか辛かったとしても
持ち合わせていた方が良さそう

小さな天使はそう言う

どんなに辛かったとしても

そう
それが
わー◯□△
気が狂いそう?
ふんそんなの知らないね!

天使って無責任!?


『乖離する
乖離する
この世は乖離する』

不思議なラジオが聴こえて来る

大学を卒業して勤務医をやっている。人の心を扱う職業だ。不思議と
世の中には様々な人間が居る
そして
「ただいまー」
「お帰りー」
「んー僕たち、お利口にしてたかな?」
「嫌だよパパ、だって」
「ワー」
「嫌だなジャレないでよ」
「あのね今日ママが」
「それは僕ん」
「ジューん」
「きゃっきゃ」


「今日パパからいい匂いがしたね」
「絶対、他の女と会ってる」
「今度パパに聞いてみようよ」

「謎の、絶対切り!
あちょー」
「うりゃー」
「どーん」
「パパずるいよ」
「あははは、でも、変なごっこは良くないかな。あとこれは口止め」
「わーい」

「ところで、今度僕、ちょっと長く家を開ける事になったから。ママの事よろしくね」
「うん」
「ママの事、守ってあげられる?」
「うん」
「じゃあ約束だよ」
「はい」
「はーい」

「実は今度アメリカへ出張に行く事になって。お土産とか何がいいか考えておいてね」


二階へ上がった
ちょっと平然では無い
(参った
今更)

乖離する
乖離する
この世は乖離する

乖離する
乖離する
この世は

ガチャン

止めてしまった

はあ はあ はあ
はあ はあ はあ

自分の心臓の音が無下に聴こえて来る
うっ

いつもだ、いつもそうだ
痛い! 痛いんだよ!

心無く壁や椅子を叩いてしまった

アドレナリンが放出されて、ほんの少し楽になる
そう、そうすると。

そんな風に客観的に考える自分と何かが混在して複雑に入り混じる

そう
あの時
軍医をやっていた

若い頃は、希望が有って
全て物事は正しくて
全てが

「分かった風!」

怒鳴り声を上げてしまった
後で家族に謝らないと

僕は優秀な軍医で、
治しても
治しても
次第に
敵にとって僕が邪魔
捕虜と化した僕は
何の秘密を守ろうと
必死で

あいつは

何を見捨てて一体何を

生きたかった
生きたかった
私達も生きたかった

命?
尊厳?
そんなものが欲しけりゃ他へ行きゃいいのに

うっうっ

生きたかった
生きたかった
私達も生きたかった

生きた

僕の蘇生に関わる覚え書きは、家族が書いたんだと思う
家族
それすらも概念としてしか分からなくなっていた

罰だ罰なんだ
僕が行った事の

僕が何人殺したとか
僕が命を助けた兵士が一体何人殺したとか

もういい

「痛い、痛いよう」

あの出来事以来、初めて、泣き事を言ったような気がする

生きたかった
生きたかった
私達も生きたかった


何故

何故

どうか


僕は仕方なく、患者さん用の安定剤を飲んだ
(本当はいけないのだけど)


杜撰(ずさん)

憎む勇気

自分すらも

何もかも
諧謔みたいなもので、解決しようとしなければ良かったのかも知れない


でも

愚か
愚かなのですよ人は
ですから
あなたは人を 自分を
許せば良い
許さなければ
許して
許してあげなさい


一瞬


泣いているのが分かる
心が
泣いているのが分かる
体はそうで無くとも


泣く事の出来無い
あなたへ
友へ

いつかあなたが
天に召されて
いつか

たとえあなたが僕を許さなかったとしても
僕はあなたを許したい