花屋のバイトの後は夜の時間少しだけカフェのバイトだ。
ここは、最近段々と慣れてきてようやく独り立ちができてきたところだった。
「お!みこちゃんラテアートの練習?」
「あ、はい!お客様も落ち着いてきたので少し、中々うまく行きませんけど」
この人は同じバイトの先輩の山本くん。
大学生さんらしく、気さくで話しやすい性格がゆんちゃんと似ていてすぐに仲良くなれた。
「ん、どれどれ?え、でもできてるよ?」
「いやいや!まだ形が歪な時もあってお客様に出せたもんじゃないですよ」
ラテアートの練習はちょこちょこやってはいるものの中々上手くいかず毎度、山本くんや他のバイトの皆に飲んでもらっている。
そんなんこんなで、山本くんと話しているとお店のドアが開くベルがなり急いでお客様の元に向かうと見知った顔が見えた。
「あれ?ゆんちゃん?」
「よーっす!みこのバイト姿見たくて見にきちゃった!」
「そうなんだ‥?」
よく見るとゆんちゃんの後ろにもう一人深く帽子を被った男性が一人居た。
「あ!この人は私の幼馴染で!ついでについてきてもらったんだ!ね?」
それに対して頷くだけで顔もよく見えない。
とりあえずジロジロと見るのも失礼だと思い二人を席に案内する。
「ご注文は如何しますか?」
「んー、あ!そういえば、みこのラテアート見て見たいんだよね!お願いできる?」
「え?!いやいや!まだまだ練習中だし!下手っぴだよ?」
前々からここのバイトを始めたことはゆんちゃんにはお話し済みで、ラテアートが上手くいかないと毎度なげいているのも知られている。