求愛過多な王子と睡眠不足な眠り姫

 コンプレックスを交互に語る。

「恭吾はひとりで勝手に決めてしまう。わたしの退職を見越した部署移動から関連会社への再就職斡旋、それから朝岡家と関わらなくてもいい環境作り。こんな風に整えられたって嬉しくないよ」
「……そっか、僕は君を守るつもりで働きかけていたんだが。いや、違うな。ミントを囲ってしまいたかったのか。君をもう失いたくなかった」

 ギューッ、効果音がつくくらい抱き締めてきた。苦しい、少し痛い。けれど恭吾も同じだろう。苦しかった、痛かった。
 2年間でグループ内を掌握したと彼は言っていた。これは並大抵の努力で出来る事じゃない。

「ごめん、ミント。本当にごめん」
「ううん、わたしこそ。見限られ、捨てられるのが怖かった」
「捨てるはずない、君は僕の宝物だ」