求愛過多な王子と睡眠不足な眠り姫

(あぁ、そっか。この人は笑うのが巧いんじゃなく笑顔で隠すのが巧かっただけなのか)
 気付くなり、彼の心の鍵へ手を伸ばす。

 解放してはいけないものを放った罰でこの先ずっと悪夢に苛まれてもいい。社長や川口さんにどう思われようと気にしない。

 地位、名誉、財産という生まれ持った檻に繋がれる王子様をわたしが連れ出す。

 ーーそう、ふかふかのベッドへ!!