「結局バスケ部に入るの!?」

次の日、案の定朝美ちゃんに驚かれた。

「まぁ、、、紆余曲折ありまして、、、。」

「ふーーん、じゃあその紆余曲折とやらを、じっくり聞かせて貰おうじゃないの。」

ほら、私の言う通りでしょ?と言わんばかりの、朝美ちゃんの視線がささる。

「次化学室に移動だし、ねっ?またお昼ご飯の時にでも話すからさ?」

「後回しにしたって、聞くったら聞くんだからね〜」

化学室に続く廊下を歩いていると、向かい側から崚行くんが歩いてくるのが見えた。

同じ部活に入るなら、挨拶するべきかな?

でも、忘れられてる可能性もあるかも。

今回は何も話しかけずに通り過ぎよう。

そう決めた時、

『なぁ、あんた。今日も見学来るの。』

と、話しかけられた。

「あ、そうだね、、、決めてなかったや。」

『まぁ、どっちでも良いけど1つ忠告。
ボケーっとして先輩に迷惑かけるな。体育館は玉が飛び交ってるんだから、マネージャーになるんだったら、これからもそんなこと山のようにある。俺は本気でバスケやりにこの高校に来てんの。生半可な気持ちでやられても困る。』

思いがけない言葉に、ハッとした。

自分の未熟さを突きつけられたようだった。

「ちょっとあんた、、、誰?待ちなさいよ!」

「ううん、朝美ちゃん。大丈夫。」

崚行くんの言う通りだ。

バスケ部のことも、マネージャーになることも、私何も考えられてなかった。

そんな甘い考えが、誰かにまた迷惑をかけるんだ。

「私、、、。バカだった。」


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