帰りの会が終わって、チャイムの音がして、早く終わったであろう他クラスの生徒達の歩く音が聞こえてきた
夕方、放課後の匂いが少し心地いい
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「じゃあ私、剣道部の体験入部行ってくるから!」
「うん!行ってらっしゃい。楽しんできて」
「菜乃はどうするの?」
「今日は真っ直ぐ家に帰って、沢山貰ったチラシ見て考えようかな?」
「そっか、気になったのあったら教えて。じゃあまた明日」
「うん、分かった。また明日」
さて、帰るか。
無意識に気を張っていたのか、疲労感がすごい。
朝美ちゃんが近くにいるのが救いだったな、、、
『おーい!!おーい!!』
席を立った時、聞き覚えのある声が聞こえた。
「、、、、?あ、昌(まさ)先輩、、、ですか?」
『俺の名前知ってるのか!!逆に名前は!?』
「あ、わたし、、、菜乃っていいます」
目を見開いて固まってる私にお構い無しで近づいてきて、さらにこう言った。
『見学来るでしょ!?今日!!!!』
「え!!今日です、、、か?」
蒼也先輩ー、、、!強引な勧誘が再始動しましたよー!!
『あとさ、プレイヤーだけど、同じ1年の子捕まえたから!
ひとりじゃないしどう!?ほら、あそこにいる!』
昌先輩の視線の先を見ると
「あ、さっきの、、、、(ぶつかった男の子、、、)」
『え!何?知り合い?丁度いいじゃん!
崚行(りょうき)くーん!!!崚行くんも知り合いなら勧誘してよー!』
崚行くんと呼ばれる男の子は先輩に肩を掴まれ、私の前に無理やり連れてこられて、
そして不機嫌そうな顔で
「さっきも思ったけど、なんか、小動物っぽいな。あんた。」
と謎の一言を放った。
