今夜0時、輝く桜の木の下で

「夜光症は、とにかく太陽光がダメなんです。でも、私だけ夜に試験をすることもできないので、光が入らない部屋を用意してもらって、そこでみんなと同じタイミングで試験を受けるんです」

少しうつむきながら、咲夜は言った。

「でも、今日はちょっと手違いがあって……」

「うん」

短く返す。

「部屋のカーテンが、遮光カーテンじゃなかったんです」

その一言に、佐藤さんの動きがわずかに止まった。

「だから、その……蓄積で、私、倒れちゃったらしくって。起きたら、病院でした」

「なんで、そんなこと……」

「部屋の準備をしてくれたのが新任の先生で……間違えちゃったらしくって」

佐藤さんの表情が、少し強張る。

それを見て、咲夜は静かに続けた。

「佐藤さんも、その先生が悪いって思いますか?」

「……それって、どういう意味?」

わずかに息を詰めて、佐藤さんが聞き返す。

「病院に、先生たちも来てて。話を聞いたら、当たり前ですけど、わざとじゃなかったって言ってました」

「謝ってもくれました」

言葉は穏やかだったが、どこか硬さがあった。

佐藤さんは、すぐには何も言えなかった。

「佐藤さんは、誰が悪いと思いますか?」