季節は巡り、四人で過ごした夏休みはとうに過ぎていた。
気づけば、庭の木々はゆっくりと色づき始めている。
日が落ちかけた頃。
紺、シロー、キラの三人は、相変わらずキラの家に集まっていた。
「最近ちょっと寒くなってきたよな。明日からパーカー着よっかな」
椅子の背もたれに身を預けながら、キラがぼやく。
「おそ」
間髪入れずに、紺が返した。
「クラスでワイシャツなの、キラだけだよ?」
シローが笑いを含んだ声で続ける。
「え、うそ、まじ?」
キラはがばっと体を起こした。
「あと先生」
シローが肩を揺らしながら笑う。
「一生半袖だよね」
紺も呆れたように言う。
「ほんとすごいと思うよ。健康的すぎる」
「ユ○クロのヒー○テックより俺のミートテックだっけ?」
紺が思い出したように口にすると、
「そうそう」
シローがすぐに乗った。
「うわ、じゃあまだ耐えるか」
キラは真面目に呟く。
「耐えんのかい」
紺がツッコミを入れる。
「なんでそーなるかなー」
シローが笑いながら呆れる。
「だってさ、俺のが全然若いのにさ、なんか悔しいじゃん」
その一言に、紺とシローは同時に吹き出した。
ひとしきり笑いが落ち着いた頃。
シローがふと、窓の外に目を向ける。
「なんかまた冷えてきたね。今何時?」
紺はスマホをちらりと見た。
「17時48分」
「うーわ、もう真っ暗」
キラがカーテンの隙間から外を覗く。
「すっかり秋だよね」
静かにそう言ってから、シローは思い出したように口を開いた。
「咲夜さん、17時には来るって言ってたよね?」
「言ってた」
紺も頷く。
「確かに、遅いね」
キラが首をかしげた。
「今日、試験って言ってたし……力尽きちゃったんじゃない?」
シローの言葉に、紺の表情がわずかに曇る。
「心配なら連絡したら?」
軽く言ったシローに、紺は小さく頷いた。
「……そうだよな」
その一瞬の間に、シローはほんの少しだけ目を丸くする。
紺はグループのトーク画面を開き、短くメッセージを送った。
――咲夜さん、大丈夫?
それから数十分。
特に会話もなく、それぞれがスマホをいじったり、ぼんやり過ごしたりしていた。
通知音が鳴ったのは、その静けさの中だった。
紺がすぐに画面を見る。
咲夜からの返信だった。
――試験に疲れて寝ちゃってました。約束してたのにごめんなさい
文の最後には、申し訳なさそうに頭を下げるような可愛いスタンプが添えられている。
「返事きたね」
キラが画面を覗き込みながら言う。
――試験お疲れ様! 俺もテストの後寝ちゃう笑
すぐにキラが返信を打ち込む。
――キラ、この前テスト中も寝てなかったっけ?
シローが横から覗き込みながら笑う。
そのまま指を動かし、
――咲夜さん、気にしないでゆっくり休んでください
と送った。
紺は少しだけ画面を見つめてから、短いスタンプを一つ送る。
それで十分だと思った。
スマホをテーブルに置き、深く息を吐く。
張りつめていたものが、ようやく緩んだ気がした。
「ほっとした?」
シローがにやりと笑いながら覗き込んでくる。
紺はほんの少しだけむすっとして、視線を逸らした。
「……そーかもね」
ぶっきらぼうに返した声は、さっきまでより少しだけ軽かった。
気づけば、庭の木々はゆっくりと色づき始めている。
日が落ちかけた頃。
紺、シロー、キラの三人は、相変わらずキラの家に集まっていた。
「最近ちょっと寒くなってきたよな。明日からパーカー着よっかな」
椅子の背もたれに身を預けながら、キラがぼやく。
「おそ」
間髪入れずに、紺が返した。
「クラスでワイシャツなの、キラだけだよ?」
シローが笑いを含んだ声で続ける。
「え、うそ、まじ?」
キラはがばっと体を起こした。
「あと先生」
シローが肩を揺らしながら笑う。
「一生半袖だよね」
紺も呆れたように言う。
「ほんとすごいと思うよ。健康的すぎる」
「ユ○クロのヒー○テックより俺のミートテックだっけ?」
紺が思い出したように口にすると、
「そうそう」
シローがすぐに乗った。
「うわ、じゃあまだ耐えるか」
キラは真面目に呟く。
「耐えんのかい」
紺がツッコミを入れる。
「なんでそーなるかなー」
シローが笑いながら呆れる。
「だってさ、俺のが全然若いのにさ、なんか悔しいじゃん」
その一言に、紺とシローは同時に吹き出した。
ひとしきり笑いが落ち着いた頃。
シローがふと、窓の外に目を向ける。
「なんかまた冷えてきたね。今何時?」
紺はスマホをちらりと見た。
「17時48分」
「うーわ、もう真っ暗」
キラがカーテンの隙間から外を覗く。
「すっかり秋だよね」
静かにそう言ってから、シローは思い出したように口を開いた。
「咲夜さん、17時には来るって言ってたよね?」
「言ってた」
紺も頷く。
「確かに、遅いね」
キラが首をかしげた。
「今日、試験って言ってたし……力尽きちゃったんじゃない?」
シローの言葉に、紺の表情がわずかに曇る。
「心配なら連絡したら?」
軽く言ったシローに、紺は小さく頷いた。
「……そうだよな」
その一瞬の間に、シローはほんの少しだけ目を丸くする。
紺はグループのトーク画面を開き、短くメッセージを送った。
――咲夜さん、大丈夫?
それから数十分。
特に会話もなく、それぞれがスマホをいじったり、ぼんやり過ごしたりしていた。
通知音が鳴ったのは、その静けさの中だった。
紺がすぐに画面を見る。
咲夜からの返信だった。
――試験に疲れて寝ちゃってました。約束してたのにごめんなさい
文の最後には、申し訳なさそうに頭を下げるような可愛いスタンプが添えられている。
「返事きたね」
キラが画面を覗き込みながら言う。
――試験お疲れ様! 俺もテストの後寝ちゃう笑
すぐにキラが返信を打ち込む。
――キラ、この前テスト中も寝てなかったっけ?
シローが横から覗き込みながら笑う。
そのまま指を動かし、
――咲夜さん、気にしないでゆっくり休んでください
と送った。
紺は少しだけ画面を見つめてから、短いスタンプを一つ送る。
それで十分だと思った。
スマホをテーブルに置き、深く息を吐く。
張りつめていたものが、ようやく緩んだ気がした。
「ほっとした?」
シローがにやりと笑いながら覗き込んでくる。
紺はほんの少しだけむすっとして、視線を逸らした。
「……そーかもね」
ぶっきらぼうに返した声は、さっきまでより少しだけ軽かった。

