お姫様の条件

「…ん……？泣いてんの？」
ソファーで寝てた海音寺響が体を重たそうに起こした。
「…あ……ッ私、バカだなって思って…」
私は必死に涙を拭う。
でも、拭えば拭うほど涙は止まらなくなる。
「海音寺さんは……嫌じゃないんですか…？」
「…何が？」
「私が貴方の代わりに仕事すること…、こうして一緒に住むこと……」
私は視線を落とす。
「…………嫌かもな」
「じゃあなんで…ッ」
私の目には再び彼の顔が写る。