お姫様の条件

「…はい?」
『お前、もう着いたみたいだな』
「いや、着いたってゆうか…ここどこっすか?」
私は目の前に立つでっかい建物を見上げる。
『そこは、海音寺のマンションだ』
…またこの人は何を言うんだか……
「あの、私そろそろ家に……」
『お前の家は今日からそこだ。いいか、花里。お前は人を大怪我させたんだ。世話をするのは当然の事だろう』
…電話越しの谷川の声に腹が立つ。
普通そうゆう人は病院という施設に入院するんじゃないんですか!?!?
だいたいクタクタになって帰ってきて、さらに人の世話なんて…
私はもう倒れそうだった。