「…」
……!!!
しばし、その顔をじっと眺めて
固まっていたあたしは、はっと我に返って
慌てて後ろに飛び退く。
「………ななな……っ!
なんで、いきなりその姿…っ?!」
「こっちの方が
すず、本音を見せてくれると思ったから。」
「ほ、本音…?」
何の心構えもしてなかったあたしは
いきなり、目の前に現れた美の化身に
動揺を隠せない。
でも
衝撃におののくあたしとは違って
ひもろぎさんは冷静な表情を浮かべている。
「無理して飲み込んでる言葉、あるでしょう?」
「…」
向けられた問いかけに、ぴたりと動揺が静まる。
ひもろぎさんは
さっきの誤魔化しを許してくれなかった。
柔らかくはあるけど、追及の手を止めない。
「思っていることがあるなら
ちゃんと、教えてほしい。」
見せないように頑張ったって
相手の事をよく見てるひもろぎさんは
些細な変化にすぐ気付いてしまう。
見ない振りをしてくれることもあるけど
抱えていることが苦しいと思った時ほど
こんな風に、吐き出させようとしてくれる。
……でも
「……何も、無理してないよ。」
あたしが、心の内を話したら
それを聞いたら、ひもろぎさんはどう思うだろう。
優しいひもろぎさんは
あの日の自分の選択を後悔するかもしれない。
あたしを悲しませるくらいなら
話さなければ良かったと。
自分を責めるかもしれない。
……ひもろぎさんの抱えたものを思うと
どうしても、心は、悲しみや切なさで揺れてしまう。
苦しくなってしまう。
でも
どんな過去であれ、今であれ
あたしは、この人を知れて良かったと思っている。
聞いたことを、あたしは後悔してない。
後悔してないのだから
想い(それ)を、ひもろぎさんに明かす必要もない。
……!!!
しばし、その顔をじっと眺めて
固まっていたあたしは、はっと我に返って
慌てて後ろに飛び退く。
「………ななな……っ!
なんで、いきなりその姿…っ?!」
「こっちの方が
すず、本音を見せてくれると思ったから。」
「ほ、本音…?」
何の心構えもしてなかったあたしは
いきなり、目の前に現れた美の化身に
動揺を隠せない。
でも
衝撃におののくあたしとは違って
ひもろぎさんは冷静な表情を浮かべている。
「無理して飲み込んでる言葉、あるでしょう?」
「…」
向けられた問いかけに、ぴたりと動揺が静まる。
ひもろぎさんは
さっきの誤魔化しを許してくれなかった。
柔らかくはあるけど、追及の手を止めない。
「思っていることがあるなら
ちゃんと、教えてほしい。」
見せないように頑張ったって
相手の事をよく見てるひもろぎさんは
些細な変化にすぐ気付いてしまう。
見ない振りをしてくれることもあるけど
抱えていることが苦しいと思った時ほど
こんな風に、吐き出させようとしてくれる。
……でも
「……何も、無理してないよ。」
あたしが、心の内を話したら
それを聞いたら、ひもろぎさんはどう思うだろう。
優しいひもろぎさんは
あの日の自分の選択を後悔するかもしれない。
あたしを悲しませるくらいなら
話さなければ良かったと。
自分を責めるかもしれない。
……ひもろぎさんの抱えたものを思うと
どうしても、心は、悲しみや切なさで揺れてしまう。
苦しくなってしまう。
でも
どんな過去であれ、今であれ
あたしは、この人を知れて良かったと思っている。
聞いたことを、あたしは後悔してない。
後悔してないのだから
想い(それ)を、ひもろぎさんに明かす必要もない。


