「……うーん…」
「あ、ひもろぎさん。おはよう。」
「……おはよう。ごめん、すず。
寝ちゃってた…」
「ううん。大丈夫。」
ちょうど、準備が整った頃に
ひもろぎさんが目を覚ました。
「……誰か来た?」
「分かるの?」
「気配が残ってる。」
長座布団から起き上がったひもろぎさんは
目を擦りながら、眠たそうな目であたりを見渡す。
「榊さんって人が来たよ。
また、会いに来るって。」
「……榊……?
ああ…やまつみが来たんだ…」
寝起きの、少し掠れた声で
ぼんやりと呟くひもろぎさんは
まだ寝たりないようで
こくりこくりと船を漕ぐ。
ふらふらと、左右に小さく体を揺らした後
そのまま、隣に座っていた
あたしの肩に、ぽすりと、もたれ掛かる。
「寝てていいよ。」
「……ううん、起きる。」
あたしの肩の上で、目をしばたかせながら
睡魔に抗う、ひもろぎさん。
くすりと笑って、あたしは言葉を向ける。
「ここで、他の人に会うことなんてなかったから、びっくりした。」
「大丈夫だった?」
「うん。不思議と怖くなかったよ。」
「それは良かった。」
「榊さん…えっと、やまつみ?さん?」
「僕はやまつみって呼んでるけど
彼は、榊の名前を気に入ってるから
そっちで呼んであげると喜ぶよ。」
「榊さん、あたしと佐奈の事
知ってるみたいだったの。
佐奈の事、よろしくって言われて…」
なんでか分かる?と目で問いかければ
ひもろぎさんは、あたしを見返した後
ゆっくりと口許を緩めて、そっと目を閉じた。
「その内、分かる日が来るよ。」
「あ、ひもろぎさん。おはよう。」
「……おはよう。ごめん、すず。
寝ちゃってた…」
「ううん。大丈夫。」
ちょうど、準備が整った頃に
ひもろぎさんが目を覚ました。
「……誰か来た?」
「分かるの?」
「気配が残ってる。」
長座布団から起き上がったひもろぎさんは
目を擦りながら、眠たそうな目であたりを見渡す。
「榊さんって人が来たよ。
また、会いに来るって。」
「……榊……?
ああ…やまつみが来たんだ…」
寝起きの、少し掠れた声で
ぼんやりと呟くひもろぎさんは
まだ寝たりないようで
こくりこくりと船を漕ぐ。
ふらふらと、左右に小さく体を揺らした後
そのまま、隣に座っていた
あたしの肩に、ぽすりと、もたれ掛かる。
「寝てていいよ。」
「……ううん、起きる。」
あたしの肩の上で、目をしばたかせながら
睡魔に抗う、ひもろぎさん。
くすりと笑って、あたしは言葉を向ける。
「ここで、他の人に会うことなんてなかったから、びっくりした。」
「大丈夫だった?」
「うん。不思議と怖くなかったよ。」
「それは良かった。」
「榊さん…えっと、やまつみ?さん?」
「僕はやまつみって呼んでるけど
彼は、榊の名前を気に入ってるから
そっちで呼んであげると喜ぶよ。」
「榊さん、あたしと佐奈の事
知ってるみたいだったの。
佐奈の事、よろしくって言われて…」
なんでか分かる?と目で問いかければ
ひもろぎさんは、あたしを見返した後
ゆっくりと口許を緩めて、そっと目を閉じた。
「その内、分かる日が来るよ。」


