『じゃあさ
これからも、僕にお菓子を作ってよ。』
…あの時、あたしにああ言ったのは
拒まず、あたしを受け入れたのは
『人』との交流を求めていたから。
みなかみさまでは埋められない寂しさを
埋めてくれる『人』を、その時間を
夢の中で、ずっと探していたんだ。
現実では、それが出来ないから。
ひもろぎさんが、そう制限してしまっているから。
「…」
ずっとずっと、そうして心を慰めながら
生きてきたのかと思うと
現実の世界で、寄り添ってくれる『人』が
ひもろぎさんにはいないんだと思うと
心臓をぎゅっと鷲掴みにされたかのような
苦しさに襲われる。
「………あたしも……」
あたしも、いずれ
あの人を置いていくのだろうか。
また、ひもろぎさんは
別れを、寂しさを重ねていくのだろうか。
それを、あんな風に笑って、受け入れるのだろうか。
「……っ」
そんな事を考えたら
どうしようもなく悲しくて
涙があふれてきて
頬を伝うそれを止めることが出来なくて
あたしは、枕に顔を押し付けて
声を押し殺して、泣き続けた。
これからも、僕にお菓子を作ってよ。』
…あの時、あたしにああ言ったのは
拒まず、あたしを受け入れたのは
『人』との交流を求めていたから。
みなかみさまでは埋められない寂しさを
埋めてくれる『人』を、その時間を
夢の中で、ずっと探していたんだ。
現実では、それが出来ないから。
ひもろぎさんが、そう制限してしまっているから。
「…」
ずっとずっと、そうして心を慰めながら
生きてきたのかと思うと
現実の世界で、寄り添ってくれる『人』が
ひもろぎさんにはいないんだと思うと
心臓をぎゅっと鷲掴みにされたかのような
苦しさに襲われる。
「………あたしも……」
あたしも、いずれ
あの人を置いていくのだろうか。
また、ひもろぎさんは
別れを、寂しさを重ねていくのだろうか。
それを、あんな風に笑って、受け入れるのだろうか。
「……っ」
そんな事を考えたら
どうしようもなく悲しくて
涙があふれてきて
頬を伝うそれを止めることが出来なくて
あたしは、枕に顔を押し付けて
声を押し殺して、泣き続けた。


