きみはあたしのライラック

「……これが、フローズンヨーグルト…」

「いちごにしてみたけど、どうかな?」

「……!おいしい!」

「ひもろぎさんは、甘いの好きみたいだから
少し、砂糖多めに入れてみたんだ。」

「うん。僕、これ気に入ったよ。」



本当に気に入ってくれたみたいで
嬉しそうな笑顔を浮かべて、フローズンヨーグルトにかじりつく、ひもろぎさん。



「もっと食べていい?」



あっという間にたいらげて、おかわりを要求してくる。



「いいよ。ひもろぎさんに作ったものだから。」

「ありがとう!すず!」



無邪気にはしゃぐ、その姿に表情が緩む。


本当は、お菓子やアイスばかり食べるのは
体に悪いから、止めるべきなんだろうけど…

ここは、夢の中。

現実ではないし、問題はないだろう。



「…」



………自分のしたことで、誰かが喜んでくれる
そんな姿を見たのは、いつ振りだろう。


ここしばらくは
誰かを怒らせたり、困らせてばかりいたから。


ひもろぎさんの無邪気な笑顔が、言葉が
あたしの心を少し軽くしてくれる。