「でも、贄なんて望んでいなかった
みなかみさまはね、捧げ物にされた子供を
みんな、助けてあげていた。
他の村へ逃がしてあげてたんだ。」
神様が存在するのに必要なものは
『贄』ではなく『信仰心』。
『捧げ物の命』なんて
何の意味もなかったのだという。
「例に違(たが)わず、僕のことも助けてくれた。」
「ただ、僕は
みなかみさまと相性が良かったのかなんなのか
不思議な力を宿してしまったから
人里でうまくいかなくて。」
青年のまま、時を止めた身体。
どれだけ時間が経過しても
衰えることのない、その容貌に
変わった力を持つひもろぎさんに
周囲の人は、恐怖を向けた。
『化け物』だと
忌み嫌われ、不遇の扱いを受けた。
「そんな僕に、みなかみさまは言ったんだ。
『僕のところへ来るかい?』って。」
ずっと、遠くから様子を見守っていた
みなかみさまだったけど、あまりにひどい扱いを受けるひもろぎさんを見かねて、手を差し伸べた。
「それから、ずっと
みなかみさまと一緒にいる。」
静かな山の中、安住の地を見つけ
ひっそりと慎ましく、日々を過ごしながら
「時折、山を下りて
移り変わっていく、時代の景色を眺めながら」
自分の故郷が、時代の流れと共に
姿を変えていく様を目に焼き付けながら
「夢を介して、色んな人と出会いながら」
夢の中、たくさんの人と
出会いと別れを繰り返しながら
「みなかみさまと、暮らしてる。」
ひもろぎさんは今日まで生きてきた。
みなかみさまはね、捧げ物にされた子供を
みんな、助けてあげていた。
他の村へ逃がしてあげてたんだ。」
神様が存在するのに必要なものは
『贄』ではなく『信仰心』。
『捧げ物の命』なんて
何の意味もなかったのだという。
「例に違(たが)わず、僕のことも助けてくれた。」
「ただ、僕は
みなかみさまと相性が良かったのかなんなのか
不思議な力を宿してしまったから
人里でうまくいかなくて。」
青年のまま、時を止めた身体。
どれだけ時間が経過しても
衰えることのない、その容貌に
変わった力を持つひもろぎさんに
周囲の人は、恐怖を向けた。
『化け物』だと
忌み嫌われ、不遇の扱いを受けた。
「そんな僕に、みなかみさまは言ったんだ。
『僕のところへ来るかい?』って。」
ずっと、遠くから様子を見守っていた
みなかみさまだったけど、あまりにひどい扱いを受けるひもろぎさんを見かねて、手を差し伸べた。
「それから、ずっと
みなかみさまと一緒にいる。」
静かな山の中、安住の地を見つけ
ひっそりと慎ましく、日々を過ごしながら
「時折、山を下りて
移り変わっていく、時代の景色を眺めながら」
自分の故郷が、時代の流れと共に
姿を変えていく様を目に焼き付けながら
「夢を介して、色んな人と出会いながら」
夢の中、たくさんの人と
出会いと別れを繰り返しながら
「みなかみさまと、暮らしてる。」
ひもろぎさんは今日まで生きてきた。


