「こんばんは。すず。」
「こ、こんばんは。」
「ごめんね。来るの遅くなって。」
「ううん。」
「それで、何か悩みごと?」
ひもろぎさんは昨日のあの出来事を
特に気に留めていないようで、いつものように
懐っこくあたしに話しかけてくる。
普段と変わらない、ひもろぎさんの態度に
内心ほっとしながら、あたしは答えた。
「ううん。……ひもろぎさんの
昔の話を聞いてみたいって思ってただけ。」
「僕の?」
「うん。」
思いがけない言葉だったのか
ひもろぎさんは、きょとんとした表情を浮かべて
それから
「……僕の、昔の話…」
少し目を伏せて、過去を回想するかのように
ぼんやりと言葉を繰り返す。
「…ご、ごめんね。思っただけなの。
気にしないで。」
どことなく憂いを帯びたその顔に
やっぱり地雷だったかもしれないと
焦ったあたしは慌てて、言葉を向ける。
だけど、ひもろぎさんは首を横に振った。
「ううん、違う。嫌とかじゃないんだ。
ただ、あんまり、楽しい話じゃないかもしれないから。…それでも、聞きたい?」
静かな表情で問いかけてくるひもろぎさんに
少しだけ、ためらいながらも、あたしは頷いた。
「…聞かせてくれるなら。」
「分かった。じゃあ、お菓子を食べながら話すよ。」
「こ、こんばんは。」
「ごめんね。来るの遅くなって。」
「ううん。」
「それで、何か悩みごと?」
ひもろぎさんは昨日のあの出来事を
特に気に留めていないようで、いつものように
懐っこくあたしに話しかけてくる。
普段と変わらない、ひもろぎさんの態度に
内心ほっとしながら、あたしは答えた。
「ううん。……ひもろぎさんの
昔の話を聞いてみたいって思ってただけ。」
「僕の?」
「うん。」
思いがけない言葉だったのか
ひもろぎさんは、きょとんとした表情を浮かべて
それから
「……僕の、昔の話…」
少し目を伏せて、過去を回想するかのように
ぼんやりと言葉を繰り返す。
「…ご、ごめんね。思っただけなの。
気にしないで。」
どことなく憂いを帯びたその顔に
やっぱり地雷だったかもしれないと
焦ったあたしは慌てて、言葉を向ける。
だけど、ひもろぎさんは首を横に振った。
「ううん、違う。嫌とかじゃないんだ。
ただ、あんまり、楽しい話じゃないかもしれないから。…それでも、聞きたい?」
静かな表情で問いかけてくるひもろぎさんに
少しだけ、ためらいながらも、あたしは頷いた。
「…聞かせてくれるなら。」
「分かった。じゃあ、お菓子を食べながら話すよ。」


