その後
何度もトラウマ克服訓練に
挑んだものの、その結果は惨敗。
泣くまではいかなくても
全身が拒否反応を起こしてしまって
扉に触れることすら出来なかった。
気持ちばかりが先行して
全然結果が伴わず、落ち込むあたし。
そんなあたしに追い討ちをかけるかのように
今朝から熱と倦怠感に襲われ
ベッドから起き上がれずにいた。
「本当は、病院に行った方がいいんだけどねぇ…」
体温計を見たおばあちゃんは
心配そうに眉を寄せながら、渋い声で呟く。
そんなおばあちゃんに
あたしは、無理矢理笑顔を作って
マスク越しに、くぐもった声を返す。
「……大丈夫。移したら嫌だから
おばあちゃんは仕事に戻って。」
「分かったよ。薬と飲み物、ここに置いておくよ。」
「うん。ありがとう」
「何かあったら、店の方に電話かけるんだよ。」
「うん。」
言い出したら聞かない
あたしの性格を知っているおばあちゃんは
渋い表情を浮かべたままではあったけど、頷いて
部屋から出ていった。
「…けほっ」
ちくちくと痛む喉から、乾いた咳を繰り返しながら
あたしは、おばあちゃんが置いていってくれた市販薬に手を伸ばす。
……おばあちゃんの邪魔にならないように
早く治さなきゃ。
薬を飲んで、あたしは布団を被り、目を閉じた。
何度もトラウマ克服訓練に
挑んだものの、その結果は惨敗。
泣くまではいかなくても
全身が拒否反応を起こしてしまって
扉に触れることすら出来なかった。
気持ちばかりが先行して
全然結果が伴わず、落ち込むあたし。
そんなあたしに追い討ちをかけるかのように
今朝から熱と倦怠感に襲われ
ベッドから起き上がれずにいた。
「本当は、病院に行った方がいいんだけどねぇ…」
体温計を見たおばあちゃんは
心配そうに眉を寄せながら、渋い声で呟く。
そんなおばあちゃんに
あたしは、無理矢理笑顔を作って
マスク越しに、くぐもった声を返す。
「……大丈夫。移したら嫌だから
おばあちゃんは仕事に戻って。」
「分かったよ。薬と飲み物、ここに置いておくよ。」
「うん。ありがとう」
「何かあったら、店の方に電話かけるんだよ。」
「うん。」
言い出したら聞かない
あたしの性格を知っているおばあちゃんは
渋い表情を浮かべたままではあったけど、頷いて
部屋から出ていった。
「…けほっ」
ちくちくと痛む喉から、乾いた咳を繰り返しながら
あたしは、おばあちゃんが置いていってくれた市販薬に手を伸ばす。
……おばあちゃんの邪魔にならないように
早く治さなきゃ。
薬を飲んで、あたしは布団を被り、目を閉じた。


