それから、数日後の事。
「すずー。」
ちょうど、部屋から出たところで
階段下から、おばあちゃんの声が聞こえて
あたしはそのまま、一階へと向かう。
「何?」
「これ。佐奈(さな)ちゃんからだよ。」
「え?」
階段下で待っていたおばあちゃんは
持っていた『それ』をあたしに差し出す。
「……ダリアのミニブーケ?」
とっさに受け取ったあたしは
目に入った華やかな白に、きょとんと目を丸くした。
「この前、助けてもらったお礼にって。」
首を傾げるあたしに
おばあちゃんは、嬉しそうに目もとをやわらげる。
その言葉に、あたしは更に呆けてしまう。
「……大したことしてないのに。」
「そんなことはないさ。
時間指定の届け物だったから、すずがいてくれて助かったよ。」
どうやら、あの子から
事情を聞いた様子のおばあちゃん。
おばあちゃんも、「ありがとね。」と
あたしにお礼を言う。
そんな風に言って貰えたのが、くすぐったくて
あたしは頷きながらも、照れ臭さを隠すように
花束に視線を落とした。
……真っ白で綺麗な花。
白いダリアの花言葉は『感謝』。『思いやり』。
「…」
逃げ出してしまったのに
こんな風に、わざわざ、花で想いを返してくれた。
それが、嬉しくて、頬が緩むのを抑えられない。
無言で花を見つめるあたしを
おばあちゃんは微笑ましそうに眺めていた。
「すずー。」
ちょうど、部屋から出たところで
階段下から、おばあちゃんの声が聞こえて
あたしはそのまま、一階へと向かう。
「何?」
「これ。佐奈(さな)ちゃんからだよ。」
「え?」
階段下で待っていたおばあちゃんは
持っていた『それ』をあたしに差し出す。
「……ダリアのミニブーケ?」
とっさに受け取ったあたしは
目に入った華やかな白に、きょとんと目を丸くした。
「この前、助けてもらったお礼にって。」
首を傾げるあたしに
おばあちゃんは、嬉しそうに目もとをやわらげる。
その言葉に、あたしは更に呆けてしまう。
「……大したことしてないのに。」
「そんなことはないさ。
時間指定の届け物だったから、すずがいてくれて助かったよ。」
どうやら、あの子から
事情を聞いた様子のおばあちゃん。
おばあちゃんも、「ありがとね。」と
あたしにお礼を言う。
そんな風に言って貰えたのが、くすぐったくて
あたしは頷きながらも、照れ臭さを隠すように
花束に視線を落とした。
……真っ白で綺麗な花。
白いダリアの花言葉は『感謝』。『思いやり』。
「…」
逃げ出してしまったのに
こんな風に、わざわざ、花で想いを返してくれた。
それが、嬉しくて、頬が緩むのを抑えられない。
無言で花を見つめるあたしを
おばあちゃんは微笑ましそうに眺めていた。


