「……はぁ…」
お昼ごはんの準備をしながら
あたしはひとり、盛大にため息をついていた。
……頑張ってみると
ひもろぎさんには言ったものの…
実際に行動に移すのは難しくて
なかなか、自分から声をかけられない日々が続いていた。
どうやら、あの子は
最近、あたしの存在に気付いたようで
扉の隙間から、目が合うことが増えた。
話しかけるチャンスだ!と思いながらも
いざ、目が合うと怖くなって
結局、ひと言も声をかけられず逃亡。
といった流れが、しばらく続いていた。
……せっかく、あの子の方から
『こんにちは』って、挨拶してくれたのに
あろうことか、あたしは
返事もせずに、その場から逃げ出してしまって
今も、その情けなさと罪悪感を引きずって、凹んでいた。
「…」
「すず。」
「!」
ずーんと落ち込んでいると
急に背後から声をかけられて、体が跳ねた。
驚きながら振り返れば
そこにはおばあちゃんが立っていた。
「驚かせたかい?」
「だ、大丈夫。なに?」
「少し出てくるよ。すぐ戻ってくるから。」
おばあちゃんの手に
回覧板があるのに気付いたあたしは頷く。
「うん。気をつけて。」
外出中のプレートは出しておくから
お客さんが入ってくることはないだろうけど
お店の鍵は開けたままだから
一応、様子を見ていて欲しいと頼まれた。
もう一度、頷いて
あたしは、おばあちゃんを見送った。
お昼ごはんの準備をしながら
あたしはひとり、盛大にため息をついていた。
……頑張ってみると
ひもろぎさんには言ったものの…
実際に行動に移すのは難しくて
なかなか、自分から声をかけられない日々が続いていた。
どうやら、あの子は
最近、あたしの存在に気付いたようで
扉の隙間から、目が合うことが増えた。
話しかけるチャンスだ!と思いながらも
いざ、目が合うと怖くなって
結局、ひと言も声をかけられず逃亡。
といった流れが、しばらく続いていた。
……せっかく、あの子の方から
『こんにちは』って、挨拶してくれたのに
あろうことか、あたしは
返事もせずに、その場から逃げ出してしまって
今も、その情けなさと罪悪感を引きずって、凹んでいた。
「…」
「すず。」
「!」
ずーんと落ち込んでいると
急に背後から声をかけられて、体が跳ねた。
驚きながら振り返れば
そこにはおばあちゃんが立っていた。
「驚かせたかい?」
「だ、大丈夫。なに?」
「少し出てくるよ。すぐ戻ってくるから。」
おばあちゃんの手に
回覧板があるのに気付いたあたしは頷く。
「うん。気をつけて。」
外出中のプレートは出しておくから
お客さんが入ってくることはないだろうけど
お店の鍵は開けたままだから
一応、様子を見ていて欲しいと頼まれた。
もう一度、頷いて
あたしは、おばあちゃんを見送った。


