きみはあたしのライラック

――……




「気になるなら、話してみればいいのに。」

「……おばあちゃんと同じこと言わないで。」



ハムスターのように、カリカリと
可愛らしくラスクを食べていた、ひもろぎさんがあたしに言う。



「だって、気になるんでしょう?
覗き見常習犯になっちゃうくらい。」

「…」



………覗き見……常習犯……



その単語が、ぐさりと
あたしの心に突き刺さり、ダメージを受ける。



…………実際そうだから、言い返せない…



改めて、自分が端から見たら
少し危ない人のようになってる事を自覚して

あたしはちゃぶ台にひじをついて
両手で顔を覆って、ため息をついた。



「同い年で、同じ性別、似たような環境。
話してみたいって、すずは思ってるんじゃないの?」



ひもろぎさんの言葉に
あたしは口許は覆ったまま、視線だけ向ける。



……そう。


話してみたいと、思った。


あたしと同じように、学校を辞めていること。
両親とあまり関係が良くないこと。


おばあちゃんから
本当にさらりとしか聞いてないけど
あたしと似てる部分があって

勝手に親近感を感じたあたしは

あれから何度も
お店を覗きに行ってしまうくらい
あの子に興味と関心を向けていた。