その日の夜。



「明日から
仕事を手伝ってもらう事になったんだ。」

「バイトの人、見つかったの?」

「ああ。」



夜ごはんの最中、おばあちゃんは口を開いた。

訊ね返せば、おばあちゃんは頷いて
あたしに笑顔を向ける。



「ちょうど、すずと同い年の女の子だよ。」

「そっか。………ごめんね。
あたし、手伝えなくて……」

「自分の不始末が原因だ。
すずが気に病むことなんてないよ。
店だって、私が好きでやってることだからね。」

「でも…」



おばあちゃんの自宅兼職場でもあるこの場所。

ここで、花屋を営んでいるおばあちゃんは
仕入れから、手入れ、接客、包装、配達まで
なんでも、ひとりでこなしていた。


だけど、数日前、仕事中に足を痛めてしまって。


歩けないほどではないけど

お医者さんからは
その足で配達するのはきついだろうから
しばらく、お店は休んだ方がいいと言われた。


でも、仕事が生き甲斐でもある
おばあちゃんは、その提案を断って

代わりに、バイトを雇うことにした。