――……



「…」



………いけない。寝過ぎた。


目が覚めたあたしは
枕元に置いてある時計を見て、慌てて起き上がり
パジャマから着替える。


部屋の植物に水やりして
早く、朝ごはんの準備しないと…



おばあちゃんの影響もあって
植物や花が好きなあたし。

部屋の至るところに観葉植物や花を飾ってる。


朝起きて、一番にすることは、そのお世話だ。



「…ん?」



窓際に並んだ観葉植物に水を与えていると
その窓の向こうで、誰かと話している
おばあちゃんの姿が目に入った。


店の軒先で、おばあちゃんと話しているその人を見て、あたしは少し目を丸くした。



……珍しい色。



翡翠色の瞳なんて、初めて見た。


珍しい色の瞳。整った顔立ち。
加えて、服装も、ちょっと古風な感じで
自然と目を引かれる。



……おばあちゃんの知り合いかな?



じっと、 窓越しにその人を眺めていると
ふいに、視線に気付いたかのように
その人は、こちらを見上げた。


ぶつかった視線に驚いて
とっさに、しゃがみこんで身を隠す。



…。



………悪いことをしたわけでもないのに
なにやってるんだろ……



「…」



少し時間を置いて、そーっと立ち上がる。


再び、窓の外を見た時にはもう
おばあちゃんとその人の姿はなくなっていた。