「きみが、きみらしくいられる
生きられる場所は、ちゃんとある。」


「だから、焦らないで。怖がらないで。」


「他の誰が否定しても、きみだけは
きみを否定しないであげて。」



……。



紡がれる言葉は、あたしの心に深く響く。



ひもろぎさんの言葉には説得力があった。


実際に『知っている』人の言葉だと、感じた。


長く長く生きている、ひもろぎさんは
きっと、たくさんの人を、感情(もの)を
光景を、見てきたんだろう。


そして、ひもろぎさん自身も
きっと、たくさんの経験をしてきたんだろう。


だからこそ


言える言葉、示せる道、伝わる感情(もの)がある。



ひもろぎさんは
あたしが怖くてたまらない未来に
希望の光を灯してくれる。



「……ふ…っ」



『そのままでもいい』と言ってもらえて


『大丈夫だから』と寄り添ってもらえて


震えるあたしの手を、しっかり握ってくれる
その小さな手のあたたかさに



………安心して



あたしはそのまま、しばらく泣き続けた。