――…届けばいいと、切に願った。
でも、まさか本当に
そんな祈りが届くなんて思わなかった。
「…?」
……いつもとちがう。
いつも、始まりは
貶(けな)す言葉と真っ暗な闇。
でも、今日は痛い言葉は降ってこない。
どれだけ経っても静かなまま。
「…」
いつもと真逆の、真っ白い空間に
ひとり、ぽつんと立ち尽くす。
……こんな夢、はじめて。
「……静か。」
その静寂に、一瞬、気が緩んだけど
染み付いた恐怖は、そうそう簡単には消えない。
いつ、罵声の嵐が来てもいいように
非難と否定の矢が
飛んできても耐えられるように
その場に座り込んで
耳を塞いで、身体を丸める。
「…」
臨戦体勢を整えたものの
その後も、静寂が破られる気配はない。
……。
………もし、このまま本当に
何事もなく、静寂が続くなら……
いっそ、目が覚めなければいいと思う。
現実に戻らず、ここにいたい。
そしたら、誰かを恨んだり、憎んだり
嫌いにならなくて済む。
優しいあの人に迷惑をかけなくて済む。
自分に失望することもない。
でも、まさか本当に
そんな祈りが届くなんて思わなかった。
「…?」
……いつもとちがう。
いつも、始まりは
貶(けな)す言葉と真っ暗な闇。
でも、今日は痛い言葉は降ってこない。
どれだけ経っても静かなまま。
「…」
いつもと真逆の、真っ白い空間に
ひとり、ぽつんと立ち尽くす。
……こんな夢、はじめて。
「……静か。」
その静寂に、一瞬、気が緩んだけど
染み付いた恐怖は、そうそう簡単には消えない。
いつ、罵声の嵐が来てもいいように
非難と否定の矢が
飛んできても耐えられるように
その場に座り込んで
耳を塞いで、身体を丸める。
「…」
臨戦体勢を整えたものの
その後も、静寂が破られる気配はない。
……。
………もし、このまま本当に
何事もなく、静寂が続くなら……
いっそ、目が覚めなければいいと思う。
現実に戻らず、ここにいたい。
そしたら、誰かを恨んだり、憎んだり
嫌いにならなくて済む。
優しいあの人に迷惑をかけなくて済む。
自分に失望することもない。


