「………あの、ひもろぎさん。」
「うん?あ、ごめんね。
僕も、あのまま眠っちゃって…」
「ううん。あの、ね…」
「?」
少しためらいながらも
あたしはひもろぎさんをまっすぐ見て、口を開く。
「りん」
「…」
「…さんって、呼んでいい?あたしも。」
「…」
本当の名前を呼べば
ひもろぎさんは大きく目を見開いて
無言であたしを見返す。
狐につままれたような顔で
固まるひもろぎさんを見て、あたしは焦る。
い、いきなり馴れ馴れしかった……?
「い、嫌だったら…っ」
「……ううん。」
「わっ」
ぐいっと、腕を引っ張られて
あたしはひもろぎさんの胸の中にまた逆戻り。
ぱちくりと瞬きした視界の先には
嬉しそうに目を細めるひもろぎさんがいる。
「たくさん、呼んで。僕の名前。
きみの声で呼ばれたい。呼んで欲しい。」
「……りんさん。」
「うん。」
「りんさん。」
「うん。」
名前を呼ぶ度に
りんさんの表情は、声は
柔らかく綻んでいく。
あたしの声を
ひとつひとつの音を噛み締めるような
そんな姿が、たまらなく
愛しくて
「………好き。」
あふれる想いを口にすれば
りんさんは一瞬、目を見開いて
それから
困ったような笑顔を浮かべる。
「……僕、こんなに幸せでいいのかな。」
泣き出しそうな笑顔と声に
ますます、胸の中の気持ちは大きくなっていって
でも、この気持ちを
うまく言葉にできないあたしは
りんさんを強く抱き締めてから
その唇に、自分の唇を重ねた。
どうか、この気持ちが
あなたに伝わりますようにと願いながら。
「うん?あ、ごめんね。
僕も、あのまま眠っちゃって…」
「ううん。あの、ね…」
「?」
少しためらいながらも
あたしはひもろぎさんをまっすぐ見て、口を開く。
「りん」
「…」
「…さんって、呼んでいい?あたしも。」
「…」
本当の名前を呼べば
ひもろぎさんは大きく目を見開いて
無言であたしを見返す。
狐につままれたような顔で
固まるひもろぎさんを見て、あたしは焦る。
い、いきなり馴れ馴れしかった……?
「い、嫌だったら…っ」
「……ううん。」
「わっ」
ぐいっと、腕を引っ張られて
あたしはひもろぎさんの胸の中にまた逆戻り。
ぱちくりと瞬きした視界の先には
嬉しそうに目を細めるひもろぎさんがいる。
「たくさん、呼んで。僕の名前。
きみの声で呼ばれたい。呼んで欲しい。」
「……りんさん。」
「うん。」
「りんさん。」
「うん。」
名前を呼ぶ度に
りんさんの表情は、声は
柔らかく綻んでいく。
あたしの声を
ひとつひとつの音を噛み締めるような
そんな姿が、たまらなく
愛しくて
「………好き。」
あふれる想いを口にすれば
りんさんは一瞬、目を見開いて
それから
困ったような笑顔を浮かべる。
「……僕、こんなに幸せでいいのかな。」
泣き出しそうな笑顔と声に
ますます、胸の中の気持ちは大きくなっていって
でも、この気持ちを
うまく言葉にできないあたしは
りんさんを強く抱き締めてから
その唇に、自分の唇を重ねた。
どうか、この気持ちが
あなたに伝わりますようにと願いながら。


