きみはあたしのライラック

高校入学後、程なくして、いじめに遭った。



『気に食わないから』と言う理不尽な理由で
あたしは、クラスの問題児達の鬱憤の捌け口にされた。


たくさん悪口を言われた。

容姿や性格について、貶された。

嫌がらせを受けたこともあった。


言い返したり、やり返す勇気はなかったけど
両親に厳しく育てられたからか

我慢強さだけは、人一倍強かったあたしは
それに耐える事ができた。


でも、それは、あくまで『自分のこと』だけ。


反応の薄いあたしに飽きたのか
その人達は、別のクラスメイトをターゲットにして、陰湿ないじめを繰り返した。


目の前で、苦しんでるクラスメイトを
助けてあげられない自分が情けなくて、恥ずかしかった。


ずっと、そんな景色を見せ続けられることが
なにより、耐え難かった。


同じ人と思えないようなことをする
そんなあの人達が嫌で嫌でたまらなくて。


顔も見たくなくて、声も聞きたくなくて。


同じ場所にいたくなくて、あたしは、逃げた。