一緒にいる時間が長ければ長いほど
その相手が大切であればあるほど
いつかやってくる別れは
辛く、苦しいものになる。
これ以上、一緒にいたら
今以上に関係を深めてしまったら
きっと、その痛みは耐えがたいものになる。
互(たが)いの存在が、互いの枷(かせ)になる。
解っているからこそ
その枷が外せなくなる前に終わらせようとした。
傷が深くなる前に、残って消えなくなる前に
離れようとした。
「…」
……その感情は痛いくらいに解る。
あたしも、ひもろぎさんを
『置いていく』時の事を想像して
その後の、『置いていかれた』
ひもろぎさんを思い浮かべたら
胸が痛くて、苦しくて
切なくて
どうしようもなくて、涙が止まらなかった。
今みたいに。
………でも、ひもろぎさん。
ひもろぎさんが、言ってくれたんだよ?
泣いてるあたしに
ひもろぎさんが、かけてくれた言葉。
「…ひもろぎさん。」
『忘れちゃった?』
――そう問いかけようとした時だった。
「そうならないように
すればいいだけの話だろう?」
ふっと、間に入るように
いきなり現れたその人に驚いて、目を見張る。
そんなあたしとは対照的に
ひもろぎさんは落ち着いた表情を
その人に向ける。
「……みなかみさま。」
ひもろぎさんの口から出た名前に
あたしは目を瞬かせた。
その相手が大切であればあるほど
いつかやってくる別れは
辛く、苦しいものになる。
これ以上、一緒にいたら
今以上に関係を深めてしまったら
きっと、その痛みは耐えがたいものになる。
互(たが)いの存在が、互いの枷(かせ)になる。
解っているからこそ
その枷が外せなくなる前に終わらせようとした。
傷が深くなる前に、残って消えなくなる前に
離れようとした。
「…」
……その感情は痛いくらいに解る。
あたしも、ひもろぎさんを
『置いていく』時の事を想像して
その後の、『置いていかれた』
ひもろぎさんを思い浮かべたら
胸が痛くて、苦しくて
切なくて
どうしようもなくて、涙が止まらなかった。
今みたいに。
………でも、ひもろぎさん。
ひもろぎさんが、言ってくれたんだよ?
泣いてるあたしに
ひもろぎさんが、かけてくれた言葉。
「…ひもろぎさん。」
『忘れちゃった?』
――そう問いかけようとした時だった。
「そうならないように
すればいいだけの話だろう?」
ふっと、間に入るように
いきなり現れたその人に驚いて、目を見張る。
そんなあたしとは対照的に
ひもろぎさんは落ち着いた表情を
その人に向ける。
「……みなかみさま。」
ひもろぎさんの口から出た名前に
あたしは目を瞬かせた。


