――…
連れられてやってきたのは
年季の入ったログハウスだった。
2人暮らしに
ちょうど良い広さの室内は
中世のヨーロッパ風の内装。
大きな暖炉に、キッチン。
それと、机にイス、ベッド…
本当に最低限だけど
生活に必要なものは一通り揃っているようだった。
「はい。すず、足見せて。」
「う、うん…」
奥の部屋から、治療に必要な道具を持って
戻ってきたひもろぎさんは
さっそく、あたしの手当てを始める。
「…っ」
「痛い?」
「……少し。」
「ちょっとだけ、我慢して。」
触れられる度に
痛みに顔を引きつらせるあたしを気にしながらも
ひもろぎさんは手際よく、手当てを進めていく。
「はい。おしまい。」
「……ありがとう。」
…。
綺麗に巻かれた包帯を眺めて
それから
治療道具を片付けている
ひもろぎさんに視線を向ける。
「………あの、ひもろぎさん、あたし…」
「どうして」
話を切り出そうとしたけど
それを遮るように
抑揚のない声で、ひもろぎさんが言う。
「……どうして、ここが分かったの?」
「…榊さんに、教えてもらって。」
「………やられた。やまつみは予想外。
きみが、ここに来ることもだけど。」
乾いた笑い声を漏らすと
ひもろぎさんは、片手で顔を覆って
深くため息をついた。
そこはかとなく伝わる困惑と拒絶のオーラに
ずきりと胸が痛む。
それでも、あたしは
負けずに自分の想いを口にする。
連れられてやってきたのは
年季の入ったログハウスだった。
2人暮らしに
ちょうど良い広さの室内は
中世のヨーロッパ風の内装。
大きな暖炉に、キッチン。
それと、机にイス、ベッド…
本当に最低限だけど
生活に必要なものは一通り揃っているようだった。
「はい。すず、足見せて。」
「う、うん…」
奥の部屋から、治療に必要な道具を持って
戻ってきたひもろぎさんは
さっそく、あたしの手当てを始める。
「…っ」
「痛い?」
「……少し。」
「ちょっとだけ、我慢して。」
触れられる度に
痛みに顔を引きつらせるあたしを気にしながらも
ひもろぎさんは手際よく、手当てを進めていく。
「はい。おしまい。」
「……ありがとう。」
…。
綺麗に巻かれた包帯を眺めて
それから
治療道具を片付けている
ひもろぎさんに視線を向ける。
「………あの、ひもろぎさん、あたし…」
「どうして」
話を切り出そうとしたけど
それを遮るように
抑揚のない声で、ひもろぎさんが言う。
「……どうして、ここが分かったの?」
「…榊さんに、教えてもらって。」
「………やられた。やまつみは予想外。
きみが、ここに来ることもだけど。」
乾いた笑い声を漏らすと
ひもろぎさんは、片手で顔を覆って
深くため息をついた。
そこはかとなく伝わる困惑と拒絶のオーラに
ずきりと胸が痛む。
それでも、あたしは
負けずに自分の想いを口にする。


