「…ん?」
支度を済ませ、宿の外に出れば
とんっと、足元に軽い衝撃が走る。
…ボール?
視線を落として確認すれば
足元にぶつかったのは
小さなサッカーボールだった。
どこからか転がってきた様子の
そのサッカーボールを拾い上げれば
少し離れた場所に立っていた
小学生くらいの女の子が「あ…」と
小さく声をこぼした。
……あの子のかな?
「はい。どうぞ。」
「……ありがとう。」
近付いて、サッカーボールを差し出せば
その子はおずおずと受け取った。
見知らぬ相手に
少し緊張していた様子だったけど
笑顔を返せば、触発されたように
その子も表情を緩めてくれた。
「……お姉ちゃん、こんな時期に観光?」
「え?えっと……人を探しに来たんだ。」
「人探し?」
「うん。大事な人なんだ。」
「そうなんだ。見つかるといいね。」
「うん。ありがとう。」
『バイバイ』と
笑顔で手を振って走り去っていくその子。
同じように手を振り、見送った後
あたしも歩き出した。
支度を済ませ、宿の外に出れば
とんっと、足元に軽い衝撃が走る。
…ボール?
視線を落として確認すれば
足元にぶつかったのは
小さなサッカーボールだった。
どこからか転がってきた様子の
そのサッカーボールを拾い上げれば
少し離れた場所に立っていた
小学生くらいの女の子が「あ…」と
小さく声をこぼした。
……あの子のかな?
「はい。どうぞ。」
「……ありがとう。」
近付いて、サッカーボールを差し出せば
その子はおずおずと受け取った。
見知らぬ相手に
少し緊張していた様子だったけど
笑顔を返せば、触発されたように
その子も表情を緩めてくれた。
「……お姉ちゃん、こんな時期に観光?」
「え?えっと……人を探しに来たんだ。」
「人探し?」
「うん。大事な人なんだ。」
「そうなんだ。見つかるといいね。」
「うん。ありがとう。」
『バイバイ』と
笑顔で手を振って走り去っていくその子。
同じように手を振り、見送った後
あたしも歩き出した。


