……これで、やっと探しに行ける!
ひもろぎさんの居場所探しに奔走すること、早2週間。
ようやく得られた有力な手がかりに
自然と口角も気持ちも緩む。
スマホの画面を眺めながら
その喜びを噛み締めていると
「――もしも」
その喜びに水を差すように
榊さんが、神妙な面持ちで問いかけてきた。
「ひもろぎを見つけることが出来なかったら」
「見つけたとして」
「『話したくない』『帰って欲しい』と
ひもろぎに言われたら」
「お前はどうする?」
……。
夢で拒絶されている、この現状。
理由がなんであれ
ひもろぎさんがあたしと会うことを
拒んでいるのは、紛れもない事実。
ひもろぎさんを見つけて、会えたとして
面と向かって、その言葉を向けられたら
拒絶されたら
あたしは耐えられるのかと
榊さんは暗に心配してくれていた。
今以上に傷付くくらいなら
このまま会わない方がいいんじゃないかと
表情で語りかけてくる榊さんに
浮かべていた笑顔を消して
あたしは静かに言葉を返す。
「……榊さん、前に言ってくれましたよね。
ひもろぎさんが、あたしに
心を許してくれてるって。」
「ああ。」
「あたし、嬉しかったんです。
あたしがそうしてもらったように
あたしも、ひもろぎさんの心に寄り添いたいって
ひもろぎさんを癒したいって思っていたから。」
「たくさん与えてもらった分
これからは、あたしがひもろぎさんに返そうって」
「なのに…」
「……何も言わずに
「さよなら」の言葉だけ
残していなくなったこと」
「悲しくて。でも、それ以上に怒っていて」
「話したくないって言われても
帰れって言われても」
「納得できる答えを貰えるまで、諦めません。
帰りません。」
「ひもろぎさんを、諦めたくない。」
「……絶対、諦めません。」
ひもろぎさんの居場所探しに奔走すること、早2週間。
ようやく得られた有力な手がかりに
自然と口角も気持ちも緩む。
スマホの画面を眺めながら
その喜びを噛み締めていると
「――もしも」
その喜びに水を差すように
榊さんが、神妙な面持ちで問いかけてきた。
「ひもろぎを見つけることが出来なかったら」
「見つけたとして」
「『話したくない』『帰って欲しい』と
ひもろぎに言われたら」
「お前はどうする?」
……。
夢で拒絶されている、この現状。
理由がなんであれ
ひもろぎさんがあたしと会うことを
拒んでいるのは、紛れもない事実。
ひもろぎさんを見つけて、会えたとして
面と向かって、その言葉を向けられたら
拒絶されたら
あたしは耐えられるのかと
榊さんは暗に心配してくれていた。
今以上に傷付くくらいなら
このまま会わない方がいいんじゃないかと
表情で語りかけてくる榊さんに
浮かべていた笑顔を消して
あたしは静かに言葉を返す。
「……榊さん、前に言ってくれましたよね。
ひもろぎさんが、あたしに
心を許してくれてるって。」
「ああ。」
「あたし、嬉しかったんです。
あたしがそうしてもらったように
あたしも、ひもろぎさんの心に寄り添いたいって
ひもろぎさんを癒したいって思っていたから。」
「たくさん与えてもらった分
これからは、あたしがひもろぎさんに返そうって」
「なのに…」
「……何も言わずに
「さよなら」の言葉だけ
残していなくなったこと」
「悲しくて。でも、それ以上に怒っていて」
「話したくないって言われても
帰れって言われても」
「納得できる答えを貰えるまで、諦めません。
帰りません。」
「ひもろぎさんを、諦めたくない。」
「……絶対、諦めません。」


