「夢を介して
相手の記憶を見たりとかも出来る。
もちろん、むやみやたらに見たりはしないけどね。」
……。
神様、依り代、神託、不思議な力…
「……昔話みたい。」
「うん。まぁ実際、昔話だし。」
「え?」
「かなり昔の出来事だから。
今はしないでしょう?人柱を立てたりなんて。」
「…」
マリトッツォ片手に、ひもろぎさんは
なんて事のないように言葉を発したけど…
『昔』
『人柱』
ひもろぎさんの口からこぼれた言葉。
その言葉の意味するところを、理解したあたしは
一瞬、言葉を失った。
固まるあたしを
目の前にいる、愛くるしい男の子は
「?」とかわいらしく小首を傾げ
不思議そうに眺めてる。
「…………ひもろぎさんって、今、何歳?」
じっと、その姿を凝視して
あたしはごくりと唾を飲み、問いかけた。
ひもろぎさんは、「えーと…」と
思い返すように、空(くう)を眺めて
「忘れちゃった。
でも、すずより上なのは確かだね。」
と、にこやかに笑って答える。
「…」
「あれ、どうしたの。すず。
そんなに驚いた顔して。」
「……ひもろぎさん、見た目が幼いから。」
「ああ、この姿は
神降ろしをしてた当時の姿だよ。
思い入れが強いからか、夢の中だと
いつもこの姿なんだ。
感情も、当時に引っ張られて幼くなる。」
「…本当のひもろぎさんは、おじいちゃんなんだ。」
「うん。でも、現実の僕の見た目は若いよ。
不思議な力が宿った弊害なのか
青年の頃から身体の成長が止まったから。」
「……不老不死ってこと?」
「みなかみさま曰く、不老ではあるけど
不死ではないから、いずれ、死ぬって。
でも、中々終わりが来なくてさ。
だらだら生きてるよ。」
「みなかみさま?」
「僕の神様だよ。」
相手の記憶を見たりとかも出来る。
もちろん、むやみやたらに見たりはしないけどね。」
……。
神様、依り代、神託、不思議な力…
「……昔話みたい。」
「うん。まぁ実際、昔話だし。」
「え?」
「かなり昔の出来事だから。
今はしないでしょう?人柱を立てたりなんて。」
「…」
マリトッツォ片手に、ひもろぎさんは
なんて事のないように言葉を発したけど…
『昔』
『人柱』
ひもろぎさんの口からこぼれた言葉。
その言葉の意味するところを、理解したあたしは
一瞬、言葉を失った。
固まるあたしを
目の前にいる、愛くるしい男の子は
「?」とかわいらしく小首を傾げ
不思議そうに眺めてる。
「…………ひもろぎさんって、今、何歳?」
じっと、その姿を凝視して
あたしはごくりと唾を飲み、問いかけた。
ひもろぎさんは、「えーと…」と
思い返すように、空(くう)を眺めて
「忘れちゃった。
でも、すずより上なのは確かだね。」
と、にこやかに笑って答える。
「…」
「あれ、どうしたの。すず。
そんなに驚いた顔して。」
「……ひもろぎさん、見た目が幼いから。」
「ああ、この姿は
神降ろしをしてた当時の姿だよ。
思い入れが強いからか、夢の中だと
いつもこの姿なんだ。
感情も、当時に引っ張られて幼くなる。」
「…本当のひもろぎさんは、おじいちゃんなんだ。」
「うん。でも、現実の僕の見た目は若いよ。
不思議な力が宿った弊害なのか
青年の頃から身体の成長が止まったから。」
「……不老不死ってこと?」
「みなかみさま曰く、不老ではあるけど
不死ではないから、いずれ、死ぬって。
でも、中々終わりが来なくてさ。
だらだら生きてるよ。」
「みなかみさま?」
「僕の神様だよ。」


