「驚いた。お前は
もとから『視える』やつだったか。」
「?み、みえる…?」
声に多少の驚きは残しつつも
榊さんは落ち着いた顔で
疑問符を浮かべるあたしを見つめる。
「もう会うことはないと思ってたんだが
まさか、また、こうして顔を合わせることになるとは……あいつらの事といい、不思議な縁だな。」
「??あ、あの…」
「それで?ここへ来た理由は?」
戸惑うあたしをスルーして
独白するように言葉をこぼした後
榊さんはあたしに本題を促した。
……ま、マイペースな人だ。
「…えと、榊さんに会いに来ました。
ここにいるって佐奈に聞いて…」
脱力しながら、答えれば
あたしの口から出た『佐奈』の名前に
榊さんの纏う空気が柔らかくなるのを感じた。
榊さんと佐奈。
どういう関係性なのかは分からないけど
ふたりにとってお互いが大事な存在なんだって事は、名前を出した時に見せたその表情から読み取れた。
優しく目尻を下げたまま
榊さんは、あたしに問いかける。
「そうか。それで、俺に何の用だ?」
「……ひもろぎさんのことで」
「ひもろぎ?あいつがどうかしたのか?」
「夢で、会えなくなって…」
「ほう。」
「…………何も言わずに、いなくなっちゃって……」
話す度に気持ちが沈んで、視線も声も落ちていく。
萎(しお)れるあたしに
榊さんは腕組みをして
同情するかのようなため息をついた。
「……まったく、俺に散々口うるさく
言っておいて、自分も同じことをするとは
目も当てられないな。」
ひもろぎさんと何かひと悶着あったのか
呆れたような口調で榊さんは小言を口にした。
もとから『視える』やつだったか。」
「?み、みえる…?」
声に多少の驚きは残しつつも
榊さんは落ち着いた顔で
疑問符を浮かべるあたしを見つめる。
「もう会うことはないと思ってたんだが
まさか、また、こうして顔を合わせることになるとは……あいつらの事といい、不思議な縁だな。」
「??あ、あの…」
「それで?ここへ来た理由は?」
戸惑うあたしをスルーして
独白するように言葉をこぼした後
榊さんはあたしに本題を促した。
……ま、マイペースな人だ。
「…えと、榊さんに会いに来ました。
ここにいるって佐奈に聞いて…」
脱力しながら、答えれば
あたしの口から出た『佐奈』の名前に
榊さんの纏う空気が柔らかくなるのを感じた。
榊さんと佐奈。
どういう関係性なのかは分からないけど
ふたりにとってお互いが大事な存在なんだって事は、名前を出した時に見せたその表情から読み取れた。
優しく目尻を下げたまま
榊さんは、あたしに問いかける。
「そうか。それで、俺に何の用だ?」
「……ひもろぎさんのことで」
「ひもろぎ?あいつがどうかしたのか?」
「夢で、会えなくなって…」
「ほう。」
「…………何も言わずに、いなくなっちゃって……」
話す度に気持ちが沈んで、視線も声も落ちていく。
萎(しお)れるあたしに
榊さんは腕組みをして
同情するかのようなため息をついた。
「……まったく、俺に散々口うるさく
言っておいて、自分も同じことをするとは
目も当てられないな。」
ひもろぎさんと何かひと悶着あったのか
呆れたような口調で榊さんは小言を口にした。


