――……
ぼんやり霞んでいても、すぐ分かる
見慣れた部屋の天井の景色。
それが鮮明になる前に
視界を遮断するように、手の甲で目元を覆った。
「……昨日も、会えなかった。」
朝起きては、落ち込みに沈む。
ここ数日は、ずっとこう。
あれから
ひもろぎさんとは一度も会えないまま。
あの場所にたどり着くことさえ
出来ない状態が続いていた。
真っ白な景色が続いているか
夢を視ることもなく、そのまま目覚めるかの
どちらか。
「…」
きっと、今までは
ひもろぎさんが望んでくれたから
繋がることが出来てたんだ。
理由は分からないけど
ひもろぎさんがあたしを拒んでいる限り
いくら探したって
あの場所にたどり着くことは
きっと、出来ないだろう。
「…」
『これからも、僕にお菓子を作ってよ。』
…そう言ったのは、ひもろぎさんなのに
『僕ね。すずと過ごす時間が好きだよ。』
そう言ってくれたのに
『さよなら。』
どうして、『さよなら』なの?
どうして、いなくなったの。
どうして、何も教えてくれないの。
少なからず、ひもろぎさんと
心を通わせている自信があったからこそ
受けたダメージが大きくて
悲しみや怒りの感情が胸の中で暴れてる。
「…」
……このまま、理由も分からず、お別れなんて
あんな短い『さよなら』の言葉だけで
納得なんて、出来るはずない。
「………夢の中で、会えないなら……」
覆っていた手を退けて
しっかりと、前を見据える。
「――現実で、あの人を探す。」
決意したあたしは
ベッドから起き上がり、着替え始めた。
ぼんやり霞んでいても、すぐ分かる
見慣れた部屋の天井の景色。
それが鮮明になる前に
視界を遮断するように、手の甲で目元を覆った。
「……昨日も、会えなかった。」
朝起きては、落ち込みに沈む。
ここ数日は、ずっとこう。
あれから
ひもろぎさんとは一度も会えないまま。
あの場所にたどり着くことさえ
出来ない状態が続いていた。
真っ白な景色が続いているか
夢を視ることもなく、そのまま目覚めるかの
どちらか。
「…」
きっと、今までは
ひもろぎさんが望んでくれたから
繋がることが出来てたんだ。
理由は分からないけど
ひもろぎさんがあたしを拒んでいる限り
いくら探したって
あの場所にたどり着くことは
きっと、出来ないだろう。
「…」
『これからも、僕にお菓子を作ってよ。』
…そう言ったのは、ひもろぎさんなのに
『僕ね。すずと過ごす時間が好きだよ。』
そう言ってくれたのに
『さよなら。』
どうして、『さよなら』なの?
どうして、いなくなったの。
どうして、何も教えてくれないの。
少なからず、ひもろぎさんと
心を通わせている自信があったからこそ
受けたダメージが大きくて
悲しみや怒りの感情が胸の中で暴れてる。
「…」
……このまま、理由も分からず、お別れなんて
あんな短い『さよなら』の言葉だけで
納得なんて、出来るはずない。
「………夢の中で、会えないなら……」
覆っていた手を退けて
しっかりと、前を見据える。
「――現実で、あの人を探す。」
決意したあたしは
ベッドから起き上がり、着替え始めた。


