「……ひもろぎさん、ごめんね。
そろそろ、起きる時間みたい…」
襲いかかってきた睡魔は、段々と強くなっていく。
「うん。」
頷いて、あたしから離れるひもろぎさん。
あたしは何度も
目を閉じては開いてを繰り返す。
……もう少し、ひもろぎさんを
撫でてあげたかったけど……
触れ合うことで安心できるなら
いくらだって、そうしてあげたいと思うけど
この眠気には勝てそうもない。
「すず。」
まどろみに誘われるあたしを
ひもろぎさんが呼ぶ。
閉じていた瞼をなんとか持ち上げ
「何?」と口にしようとした。
けど
それより早く、頬に触れた柔らかい感触が
出掛かった言葉を飲み込ませた。
「…」
驚いて、一瞬、眠気も吹き飛んだ。
そのまま、ひもろぎさんに顔を向ければ
そこには
寂しそうに微笑む同年代の男の子がいて
きょとんとするあたしを
切なそうに、愛おしそうに
揺れる瞳で、焼き付けるように見つめた後
「さよなら。」
ほんの少し、苦しそうに別れの言葉を口にした。
「…ひもろぎさ―」
頬にキスされた衝撃も忘れ
今にも泣き出しそうな
表情を浮かべるひもろぎさんに
触れようと、手を伸ばすけど
前回同様
その手がひもろぎさんへ届くことはなく
あたしの意識は現実へと、浮上した。
そろそろ、起きる時間みたい…」
襲いかかってきた睡魔は、段々と強くなっていく。
「うん。」
頷いて、あたしから離れるひもろぎさん。
あたしは何度も
目を閉じては開いてを繰り返す。
……もう少し、ひもろぎさんを
撫でてあげたかったけど……
触れ合うことで安心できるなら
いくらだって、そうしてあげたいと思うけど
この眠気には勝てそうもない。
「すず。」
まどろみに誘われるあたしを
ひもろぎさんが呼ぶ。
閉じていた瞼をなんとか持ち上げ
「何?」と口にしようとした。
けど
それより早く、頬に触れた柔らかい感触が
出掛かった言葉を飲み込ませた。
「…」
驚いて、一瞬、眠気も吹き飛んだ。
そのまま、ひもろぎさんに顔を向ければ
そこには
寂しそうに微笑む同年代の男の子がいて
きょとんとするあたしを
切なそうに、愛おしそうに
揺れる瞳で、焼き付けるように見つめた後
「さよなら。」
ほんの少し、苦しそうに別れの言葉を口にした。
「…ひもろぎさ―」
頬にキスされた衝撃も忘れ
今にも泣き出しそうな
表情を浮かべるひもろぎさんに
触れようと、手を伸ばすけど
前回同様
その手がひもろぎさんへ届くことはなく
あたしの意識は現実へと、浮上した。


