…
その姿に、重なる記憶。
……まるで、ひもろぎさんと初めて出会った時の
あたしを見ているかのよう。
何にそんなに怯えるのか
何がそんなに怖いのか
ひもろぎさんは今、何を考えているのか
……分からないけど
でも…
ゆっくりと起き上がり
くっつき虫のようになっている
ひもろぎさんの背中に手をまわす。
「……大丈夫だよ。」
「…」
「何も、怖いことないよ。」
いつか、自分がしてもらったように
その背中を撫でながら
出来るだけ優しく、声をかけ続ける。
あの時、自分がかけて貰った言葉を
して貰ったことを
今度はあたしが、ひもろぎさんに返す。
……あの時、あたしは
なにも知らないくせに、何が大丈夫だと
ひもろぎさんの言葉に反発しそうになったけど
優しく頭を撫でて貰って
心の中の恐怖と不安が、少しずつ
薄れていったのを覚えてる。
「…」
ほんの少し、顔を上げたひもろぎさんは
腕の中から、そっと、あたしを見上げる。
……恐怖と不安と、戸惑いとが
混ざりあったような表情(かお)。
でも、頭を撫でる度に
本当に少しだけど、その表情が緩んでいって
ひもろぎさんは、そのまま静かに目を閉じて
あたしに身を委ねる。
「…」
あたしの目が覚める直前まで
ひもろぎさんはずっと
あたしの傍から離れようとしなかった。
その姿に、重なる記憶。
……まるで、ひもろぎさんと初めて出会った時の
あたしを見ているかのよう。
何にそんなに怯えるのか
何がそんなに怖いのか
ひもろぎさんは今、何を考えているのか
……分からないけど
でも…
ゆっくりと起き上がり
くっつき虫のようになっている
ひもろぎさんの背中に手をまわす。
「……大丈夫だよ。」
「…」
「何も、怖いことないよ。」
いつか、自分がしてもらったように
その背中を撫でながら
出来るだけ優しく、声をかけ続ける。
あの時、自分がかけて貰った言葉を
して貰ったことを
今度はあたしが、ひもろぎさんに返す。
……あの時、あたしは
なにも知らないくせに、何が大丈夫だと
ひもろぎさんの言葉に反発しそうになったけど
優しく頭を撫でて貰って
心の中の恐怖と不安が、少しずつ
薄れていったのを覚えてる。
「…」
ほんの少し、顔を上げたひもろぎさんは
腕の中から、そっと、あたしを見上げる。
……恐怖と不安と、戸惑いとが
混ざりあったような表情(かお)。
でも、頭を撫でる度に
本当に少しだけど、その表情が緩んでいって
ひもろぎさんは、そのまま静かに目を閉じて
あたしに身を委ねる。
「…」
あたしの目が覚める直前まで
ひもろぎさんはずっと
あたしの傍から離れようとしなかった。


