……からかわれただけだったとしても
あんな風に男の子から声をかけられたことに
あたしはドキドキしてしまったわけだけど。
本当にあたしは
そういうことに対しての耐性がないから
こういった話題を口にすることにも
恥ずかしさを感じてしまう。
それを誤魔化すように笑って
ひもろぎさんに顔を向ければ
黙って話を聞いていたひもろぎさんは
そんなあたしを真顔で見返し、静かに口を開いた。
「……からかわれたわけじゃないと思うけど。」
「あたしみたいなの、好きになる人いないよ。」
「卑下する必要ないくらい、すずは可愛いけど。」
「ひもろぎさんは優しいね。ありがとう。」
「…」
「あ、そうだ、お菓子。
待ってて。今、作るから。」
お菓子を用意するのを
すっかり忘れていたあたしは
そこで話を切り上げ、立ち上がろうとした。
けど、ひもろぎさんは
そんなあたしの服を掴んで、引き留める。
「……すず。」
「ん?……っ!」
「僕、本気で言ってるんだけど。」
「ひ、ひもろぎさん…
いきなり、姿変えるのは、やめて…」
「……だって、すずはあの姿だと
僕を子供扱いするんだもの。」
「それは…」
「してるでしょう?」
ひもろぎさんの実年齢が遥かに上だと
頭では理解しているけど
視覚から得られる情報に
惑わされてしまっているのは事実だから
言い返せない。
言い淀むあたしに、成長したひもろぎさんは
不満げに呟いて、拗ねるような態度を見せる。
あんな風に男の子から声をかけられたことに
あたしはドキドキしてしまったわけだけど。
本当にあたしは
そういうことに対しての耐性がないから
こういった話題を口にすることにも
恥ずかしさを感じてしまう。
それを誤魔化すように笑って
ひもろぎさんに顔を向ければ
黙って話を聞いていたひもろぎさんは
そんなあたしを真顔で見返し、静かに口を開いた。
「……からかわれたわけじゃないと思うけど。」
「あたしみたいなの、好きになる人いないよ。」
「卑下する必要ないくらい、すずは可愛いけど。」
「ひもろぎさんは優しいね。ありがとう。」
「…」
「あ、そうだ、お菓子。
待ってて。今、作るから。」
お菓子を用意するのを
すっかり忘れていたあたしは
そこで話を切り上げ、立ち上がろうとした。
けど、ひもろぎさんは
そんなあたしの服を掴んで、引き留める。
「……すず。」
「ん?……っ!」
「僕、本気で言ってるんだけど。」
「ひ、ひもろぎさん…
いきなり、姿変えるのは、やめて…」
「……だって、すずはあの姿だと
僕を子供扱いするんだもの。」
「それは…」
「してるでしょう?」
ひもろぎさんの実年齢が遥かに上だと
頭では理解しているけど
視覚から得られる情報に
惑わされてしまっているのは事実だから
言い返せない。
言い淀むあたしに、成長したひもろぎさんは
不満げに呟いて、拗ねるような態度を見せる。


