眠ることさえ、怖かった。


毎日毎日、同じように嫌な夢を視るから。


起きた時の、あの目覚めの悪さ。
尋常じゃないくらいの汗の量。
息をするのも困難で
泣きながら目を覚ます事も珍しくない。


目を背けたい現実から
唯一、逃げられる場所が「そこ」だったのに。


まるで


現実逃避は許さないと
誰かに言われているみたいだった。



「…」



あの日から、ずっと、暗闇が続いてる。


どこへ行けばいいのか、どうしたらいいのか、
全然見えないし、分からない。


微かに足元を照らしてくれる光が
壊れそうになる自分を
なんとか支えてくれている。


だけど


その光が照らせる範囲も限られている。


いつまでも、そこにいたって何も変わらない。


踏み出す勇気を持たなければ
永遠に、ここから抜け出せない。



でも……あまりにも、暗すぎる。



「……………………助けて……」



現実では届かなかったその願い。
せめて、夢の中では誰かに届くといい。


祈りながら、眠りについた。