「あんなのいちいち逆上って売上見るの面倒くさいし、大体で良くない?」
「本当ね。でもさ、あの鬼主任、風早さんにだけは甘いよね。」
その言葉にわたしは足を止める。
"風早さんにだけは甘いよね"
え、、、わたし、そんな風に思われてたの?
「分かる!風早さんに怒ってるとこ見たことないもん!」
「何か元々、主任と風早さん知り合いらしいよ。」
「あぁ、だからか。あんなに主任が風早さんにだけ甘いの。」
その会話にわたしはショックを受けた。
わたしと冴くんが元々知り合いなのは事実だ。
でも、、、それで"甘い"と思われているだなんて、、、
わたしは、努力して仕事をこなしている。
知り合いだからとかじゃなくて、頑張りを認めてもらっているとわたしは思ってたけど、周りの人たちからはそう見えていなかった。
悔しい、、、
もっと頑張って、知り合いだから"甘い"じゃなくて、わたしの努力を周りの人にも分かってほしい。
わたしは何も聞いていないフリをして休憩室に入ると、冴くんとわたしの陰口を言っていた深見さんと渋谷さんに「お疲れ様です!」と挨拶をし、珈琲サーバーでカフェラテを淹れると、カップホルダーに入れ、事務所へと戻った。
さて、次はフリ◯ションの新作を納品する準備をしなきゃ!



