住余HDは、周りのみんなが思っているより担当部門が多く、先輩が退職してしまってからは、わたし一人で残業や休日出勤をしながら、何とか仕事をこなしていた。
しかし、入社して3年経ったある日、わたしは過労から倒れ、数日点滴に通院した事があった。
それから冴くんは人事総務課長に住余HDに人員補充をするよう頼み込んでくれたらしく、去年にやっと新入社員の中村くんが入って来てくれたのだ。
正直、住余は他の課と比べて扱いが酷く、人員補充はなかなかしてくれない。
大体は新入社員が入社して来れば、食品の方に配属されるのだが、中村くんが住余HDに配属になったという事は、冴くんが根気よく人員補充をお願いしてくれたからだろう。
そしてわたしは、中村くんの仕事のフォローをしながら、自分の仕事も進めて行った。
何とか扇風機の手配も終わり、わたし自身も各店舗への連絡事項を記載した書類を作成し、全店共通でパソコンで確認出来るシステムへ流し終わり、とりあえず一段落した。
「風早さん、ありがとうございました。」
中村くんが頭を下げながら言う。
「大丈夫だよ〜!気にしないで!中村くんも疲れたでしょ?休憩取っておいで!」
「はい、ありがとうございます。」
中村くんはそう言うと、社内の食堂へと向かって行った。
はぁ、、、疲れたなぁ。
とりあえず、飲み物買いに行こう。
そう思い、自動販売機がある休憩室に向かってる時だった。
「本当、鬼だよね。あの主任。」
あ、深見さんの声だ。
さっき怒られてたからなぁ、、、



