春よ、瞬け。


その日から、わたしは残業で帰りが遅くなった日は冴くんの家に帰宅し、冴くんの家に泊まって出勤するようになった。

しかし、そんな日々が一ヵ月続いても前とあまり関係に変わりはなく、夜に寝る時に同じベッドで寝てはいるが、何もしてこない上にキスすらまだだった。

わたしは、ちゃんと女として見られているのだろうか、、、

今思えば、いまだ冴くんに「好き」と言われたことがない。

"俺の彼女になるか?"

あの言葉は、わたしを好きだからじゃなくて、わたしが"彼女じゃないのに甘えられないよ"って言ったから、彼女にしてくれたのかなぁ、、、

それとも、わたしに色気がないから?

「なーに考えてんだ?」

その声にハッとして顔を上げると、そこにはお風呂あがりの冴くんの姿があり、ソファーに座るわたしの隣に腰を下ろした。

「そんな暗い顔して、何かあったのか?」

冴くんにそう訊かれたが、言えない、、、

何でキスしてくれないのか、それ以上のことをしてくれないのか、、、

恥ずかしくて訊けないよ。

「ううん、何でもないよ!」
「何だよ。俺に言えないことか?」
「、、、。」
「俺には甘えろって言っただろ。」

冴くんはそう言ったあと、「月麦には、笑ってて欲しんだよ。」と言い、わたしの肩を抱き寄せた。