春よ、瞬け。


その後、ご飯が出来上がり、二人で向き合って食卓につき、冴くんが作ってくれた回鍋肉と水餃子のスープを食べた。

「ん〜、美味しい!」
「ははっ。月麦はいつも美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐があるよ。」

そして、ご飯を食べた後、二人でソファーに座りながら少しまったりして、22時頃に帰宅する為に冴くんの車で送ってもらった。

「今日もありがとう!ご飯美味しかった!」
「それは良かった。」
「それじゃあ、また明日ね!」

わたしがそう言って、車から降りようとすると、冴くんは「あ、月麦。」とわたしを呼び止めた。

「え?」
「これ、渡しとく。」

そう言って、冴くんがわたしに差し出したのは、鍵だった。

「え!鍵?!」
「うちの鍵。一つ、月麦に預けとく。」
「い、いいの?」
「これから、うちに来ることも増えるだろ。自由に出入りしてもいいし、うちからの方が会社に近いから引っ越して来てもいいんだぞ?」

そう言って差し出す冴くんの手のひらから、わたしは鍵を受け取った。

「わぁ、、、鍵だ。」
「何だよ、その反応。」
「だって、、、人の家の鍵をもらうなんて、、、初めてだから、、、」
「"人の家"じゃなくて、"彼氏の家"だろ?」

"彼氏"という言葉に照れてしまうわたし。

まだ実感が湧かない、、、

それからわたしは鍵を握り締め、車から降りると「また明日。」と言い合って、冴くんの車が見えなくなるまでその場で見送った。