「さ、冴くん、、、」
「探し物か?」
「あ、うん、、、まぁ、、、。あ、でも見つかったから大丈夫!気にしないで!」
わたしはそう言って、資料保管庫の奥の方の壁に立てかかっている脚立を見つけ、取りに行こうとした。
すると、腕をグイッと引っ張られ、気付けばわたしは冴くんと身体が密着しそうな距離に居た。
すぐ目の前に冴くん、、、か、顔近い、、、
「月麦、、、俺のこと避けてないか?」
「え!そ、そんなことないよ!」
「今、脚立を取りに行こうとしたよな?いつもなら、高いところにある物は"取って"って俺にお願いしてくるのに、何で言わなかった?」
「、、、それは、、」
わたしが俯くと、冴くんは「朝のこと、気にしてるのか?」と言った。
わたしが黙り込むと、冴くんは「図星か。」と言い、小さな溜め息をついた。
「あれは、別に月麦に怒ったわけじゃない。深見さんに呆れて、あんな口調になってしまっただけだ。そんなに気にしてたなんて、、、悪かった。」
冴くんは掴んだわたしの腕をそっと離すと、「俺は誰に嫌われてもいいと思っているが、、、月麦に嫌われるのだけは、、、」と言いかけ、わたしから顔を背けると耳を赤く染めた。
"月麦に嫌われるのだけは"、、、?
そのあとの言葉は?
ちゃんと、最後まで聞きたい。
冴くんの口から、、、言葉で聞きたい。



