春よ、瞬け。


「じゃあ、風早さんあまり頑張り過ぎるなよ〜!」

そう言って、滝さんは手を振り去って行った。

わたしはあんぱんに持参した緑茶を持って、壁側の空いている一人席に座った。

そして、袋を開けあんぱんを噛じる。

あんぱん食べるの久しぶり〜
あんぱんって、こんなに美味しかったっけ。

仕事もしないで、こうやって食堂で休憩取るのも久しぶり。

わたしはジャケットのポケットからスマホとイヤホンを取り出すと、イヤホンを耳につけ、またあの曲を聴きながらあんぱんを食べていた。

すると、何だか側に気配を感じ、横をふと見上げた。

そこには、呆れたようにわたしを見下ろす冴くんの姿があり、わたしは慌ててイヤホンを外し、ポケットへと戻した。

「風早、何食べてんだ?」
「え、あんぱんです。」
「本当に、、、栄養あるもの食えって言っただろ。」
「あはは〜、すいません。」

今日の冴くんとは、何だか気まずい、、、

朝、冴くんに怒られてしまったわたしは、冴くんを少し避けたい気持ちになっていた。

「まぁ、でも今日はちゃんと休憩取ってるから許す。」

冴くんはそう言うと、ズボンのポケットに手を突っ込み、食堂から出て行った。

冴くん、何しに来たんだろう。
もしかして、、、珍しくわたしが事務所に居なかったから、探しに来たとか?

んなわけないか!
でも、きっと、、、"栄養あるもの食え"って言ってくれたってことは、倒れないか心配はしてくれてるんだろうなぁ。