春よ、瞬け。


「前にさ、風早さんが過労で倒れたことあったじゃん?あの時、東郷、、、"風早さんが過労で倒れたのは自分の責任です"って、社長に頭下げに行ったんだよ。」
「え、、、主任が?」
「うん。風早さんが倒れて、あの時の東郷はかなり参ってるように見えたなぁ。あまり感情を表に出す奴じゃないけど。それから人事の方に人員補充してもらえるようにずっと頼み込んで、それで中村くんが入ってきただろ?」

冴くんが人員補充を頼み込んでくれていた事は知っていた。

けど、、、社長に頭を下げに行っていたのは知らなかった。
冴くん、わたしが倒れたことに責任を感じてたんだ、、、

「風早さんは頑張り過ぎるところがあるから、あいつ心配してるんだよ。あと、あの話は聞いた?内村課長に風早さんを衣料の方に欲しいって、言われたの。」
「えっ?!」
「あ、やっぱり知らなかったか。あいつ、何にも話さないんだなぁ。」
「衣料の方にって、どうゆうことですか?!」
「内村課長が、風早さんの仕事ぶり見て、うちに欲しいって東郷に頼みに行ったらしいよ。でも、東郷から何の話もないなら断ったんじゃない?住余は風早さんに居なくなられたら困るからなぁ!」

滝さんはそう言ってハハッと笑った。

「でも、風早さん凄いよね。あのなかなか人を褒めない内村課長に"うちに欲しい"だなんて言われるなんて!風早さん、上層部からの評価高いからなぁ。」

滝さんからの話を聞き、正直嬉しかった。

衣料へ異動したかったわけではない。
ただ、内村課長はわたしの頑張りを見ていてくれていたんだと思えたことが嬉しかった。

"風早さんには甘いよね"

陰で言われて、悔しい思いをしたけど、その悔しさが少し報われた気がした。